まっさらな地図に塗られる色
ストレイテナーが今月リリースしたミニアルバム「Blank Map」
年始に幕張メッセで行われたワンマンライブで締めくくられた、バンドの結成20周年アニバーサリー期間を終えてから最初の作品になる。
歌モノ、ポップな一面もあり、00年代を生き抜いたロックバンドらしさもあり、振れ幅が大きく自由度の高いミニアルバムだ。
リードトラックの「吉祥寺」は、バンドが慣れ親しんだ街をテーマに、今の視点から昔の原風景を振り返るような楽曲。
アニバーサリーライブで新曲として演奏された「スパイラル」もそう。
見慣れた街を回り続けていく度に景色は塗り替えられていって、新しさとともに、バンドを始めた頃の原風景も色濃くなっていくのだろう。
見える景色も周りを取り巻く環境も変化し続けながらも、1人では出来ないことに拘り続ける。
シンプルだけど、それがロックバンドのカッコ良さだと改めて思わせてくれた。
バンドを始めて20年経った今も、仲間と共にいつまでも白地図を広げて青写真を描いている。
仲間というのはメンバー同士だけではない。同じように困難を乗り越え続けてきた周りのバンドもそう。
20周年の区切りをつけて、そこできっちり休んで次に進むこともできたけど、今年は同期のバンド達と結構つるめたなと思っていて。the band apartとのツアーがあり、ACIDMANとTHE BACK HORNとのツアーがあり、ELLEGARDEN、アジカンとのツアーがありっていう、ここで旧き仲間たちと今一度、隣にこいつらがいて俺たちはやってこれたっていう……なんだろうな。やっぱりバンドを20年続けていくのって、自分たちではあんまりしんどかったとか凄いことだとか思わないですけど、過去の先輩たち――聴いてきたバンドや憧れてきたバンドは、もっと短命で終わってることが多いので。これだけ隣に仲間のバンドたちが、今もいるこの世代って、すごい珍しいというか。
ストレイテナー・ホリエアツシに訊く 濃密で鮮やかな新作『Blank Map』誕生の背景 - SPICE(https://spice.eplus.jp/articles/256060)
節目の20周年を締め括った後の1年で、そんな盟友と呼べる存在のバンドと数多く競演を重ねている。
次の10年、20年に向かって改めて広げたまっさらな地図。そこにまず塗られる色が、バンドに一筋の希望を託した原風景と、これからも一緒に夢を見続ける未来を描いてくれるはずだ。
あと少しで、15年振りに七色のアーチが架かる。