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生活保護を受けてよかった

生活保護を受けるまで(受けてからもしばらく)は
「生活保護を受けたくない・受けてはならない」と思っていた。

「受けたくない」は世間の目を気にして。
「受けてはならない」のは、すべて自分で何とかしなければならないと考えていたから。

でも今は「受けてよかった」と思う。


お金の心配をせずに治療に専念できる

保護を受ける前、私はうつになっていて社会的な活動が一切できなくなっていた。心がぼろぼろ、歯もぼろぼろにだったのに病院へ行くお金もなくなっていた。

保護を受けるまでは「自分で何とかしなければならない」という気持ちが大きすぎて、本当は、明日の食事にも困るような状態だったにも関わらず、制度に頼るのが遅れた。

人の目が怖かったし、今も気にしてしまう自分がいる。
生活保護を受けていると言うと、世間の風当たりが強いだろうなと思うから。

でも、人の目を気にして保護を受けずに死ぬような思いをするのなら、一刻も早く保護を受ける方が本人のためだ。一時的に支えてもらって、元気になれたら今度は自分が支える立場になればいい。治療に専念できるようになってようやくそう思えた。


制度のありがたみが分かった

経済的困窮に陥った時も、この国では相互扶助の制度がしっかりあって飢え死にすることはない。
生活保護のことはもちろん知っていたけれど、実際に制度を活用させてもらったことで、本当に大丈夫だと実感を持って言える。

保護を受ける前は、制度があること、制度を運営している方がいることに思いを馳せることはなかった。助けていただく立場になって、ようやく身に染みてありがたみを感じた。

保護を受けていることを話したら、
「父親が受けていた」「友達が受けている」などの反応が返ってくることがある。はっきりと目にする機会が少ないだけで、保護を受けている人は身の回りにも一定数いたのだと知った。


これからのこと

死ぬ・生きるの心配がとりあえずなくなり、治療に専念できたことで、うつの症状がかなり良くなってきた。今は、将来に対する焦りや不安を感じる時間が増えた。ネガティブ感情に囚われるのはつらいけれど、将来のことを考えられるくらいに回復したということなのだ。

「焦らなくても大丈夫」「後退しても、また進めばいい」と自分に言い聞かせている。

これからは、絵の仕事と文章の仕事を、無理なく増やして収入を上げ、生活保護を抜けられるようにする。

一定の収入があっても、いきなり保護が打ち切られることはない。収入が上がるほど、徐々に保護費が減っていく仕組みだ。また、個々の状況により収入が安定するまで保護を受け続けることもできる。本当によくできている制度だと思う。焦らず、少しずつでも収入を高めていけたらと考えている。



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