『魔法のカクテル』のススメ
この記事では、児童書担当の書店員が、大人に読んでほしい子どもの本を紹介する。
児童書をあえて大人にオススメしたいのは、子どもの時とは違った視点で物語を楽しめるからだ。
今回は、『モモ』や『はてしない物語』でお馴染みの
ミヒャエル・エンデの作品を紹介したい。
ネコとカラスが協力して、世界が破滅に向かうのを何とか止めようとするストーリー。
大晦日のたった数時間の出来事を描いている。
構造はシンプルだ。
なのに惹き込まれてどんどん読み進めてしまう。
それは仕掛けが巧みだからだ。
例えば、1ページ目から鳩時計が登場するのだが、普通の鳩時計ではない。
時間になると指が飛び出してきて、ハンマーで時間の回数分打たれる。
回数分だけ、指が「いたい!」と叫んで時を知らせる。
面白い仕掛けがいろんなところにあって、何だろう?とワクワクしながら読んでしまう。
『モモ』や『はてしない物語』よりもライトに読めるけれど、面白さでは劣らない。
大人にも手をとってほしい作品だ。
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