介護施設で撮影しています
色々な事を経験したその手に刻まれたシワに温もりを感じた。
まだ、ツヤツヤだったあの頃に引かれたあなたの手はすげぇデカくて温かくて。
僕が悪さをして頬を引っ叩いたのも。
その時はビックリしたのと痛かったのとで
思ってもいない事を口にしてしまったりしたけど。
今ならわかる。
叩いたその手も心も痛かったよな。
それが気付いたら手を引かれる側になってて。
こんなに小さくシワクチャになっちゃって。
途中までしか曲がらない指の話はもう何十回も聞きました。
ボコボコの爪の話も何十回も聞きました。
なんて遠くで暮らす自分の親を思い出しながらシャッターを切る。
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子供の頃、写真を見るのが好きだった。
親がアルバムにしてくれたその写真達を擦り切れるほど見まくった。
一瞬を切り撮ったそれはすげぇ優しくて笑顔が詰まってた。
まだバリバリだった頃の笑顔を思い出すかのように
最後になるかもしれない笑顔にカメラを向けその一瞬を切り撮った。
明けない夜はないとか、やまない雨はないなんて誰かが言ってたけど・・・
来ない朝はあるからな。