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TTArtisan AF 75mm F2、意外と気に入った。

Nikon Zfに乗り換えてから思い続けていたことがあります。
中望遠の単焦点レンズが欲しい、って。

Lマウントの時はSIGMA Iシリーズの90mm F2.8 DG DNっていう素敵なレンズを愛用しておりまして…あれが大変具合が良く、135mmは重くてシンドイという時の楽な望遠レンズ枠は個人的に解決したいポイントでした。
Eマウントのアダプターは持っているものの、SIGMA Iシリーズは小型軽量ゆえある程度補正をかけていくのが基本的な使い方と考え、サポート外の組み合わせは(現像すれば関係ないものの)かつてのような成果を与えてくれるか疑問で躊躇していました。

そんな中、TTArtisanのAFレンズが75mmという絶妙な画角で登場してくれたわけですよ。しかもIシリーズを意識したような意匠で…でも国内正規品は少しお値段が高く、しばらく見送っていたところ、安い出品を見つけてポチッ…とな。

大口径のZマウントでもあまりそれが強調されない比較的好ましいデザイン。
リアキャップはファームアップ用にUSB-C端子のついた特別仕様…TTArtisanあるあるらしい。

思ったより高級感のある金属鏡筒。少し軽めですがクリック感のある絞りリング。ジェネリックIシリーズだなぁ…思ったよりIシリーズに寄せている感じがするので、なんか意識はしてるのかな。それより、75mm F2といえばズミクロンですから、そっちが頭にあるのか…?

φ62。ただしフィルターとフードの併用は困難。

フードはちょっと変わった形で、言わば角形花形フード。ここでひとつデメリットを発見したんだけど、フィルターを装着すると、フードが使えなくなります。保護フィルターなどを付けたい人は要注意ですね。私は付けずに運用していて、ブラックミストなどをつける際はフードを外して運用しています。

まぁ正直、あんまり期待はしていなかったですねぇ。安いし。
まぁ能書きを並べても誰も楽しくないと思うので、とりあえず作例。撮影したのは昨年10月と11月。記事のために撮影しているわけではなく、撮影したものを紹介しているので、気の利いたものがないですし、比較検討するような撮り方もしておりませんので悪しからず。

作例

f/4 1/2500

まぁこういう寄りは大抵綺麗に撮れますよ、うん。それにしても割と描写がよくないですか?使用初日ですが、結構びっくりした記憶があります。

f/4 1/1000

いきなり反逆光くらいの、ちゃんと順光でない画角を試します。少しフリンジが出ている色合いをしていますが、まぁ想定内といった感じ。

f/4 1/400

逆光、影と最悪な撮影条件ですが大崩れしません。もちろん綺麗に撮れているわけではありませんが、耐えてはいると思っています。なんか予想より良好。

f/2 1/60

早速開放を試してみましたが、これが結構魅力的にボケます。暗いところはより良いですね。周辺減光はします。

f/5 1/500

また別の日…この日はSLを撮影しに行きました。動くものもそこまで速くなければAFがしっかり捕まえられますし、被写体認識もそこまで大きな問題はありません。描写も問題という問題はないかな。

f/2 1/1600

開放もね、かなり好きですね。もっとねうるさくなるか、ふにゃふにゃになるもんですが、このレンズはかなり実用的に見えます。

f/2 1/1250

ちょっとうるさいかな?でも個人的には嫌いではありませんね。

f/5.6 1/200

TTArtisanの逆光耐性については、知っている方はかなり警戒するところだと思いますが、このような白飛びしそうな向きでもなんとかなっています。左上の黒いのは何か見切れているかな…

f/2 1/160

もみじの作例でも想像以上の働きを見せてくれました。せっかくなので開放を中心にどうぞ…
ちょっとこちらは背景ボケがね、重なってこってりしすぎかなというか、分離の悪い感じですが。

f/2 1/125

隅、特に上の方は目立って描写が乱れてますね。まぁこのくらいは仕方ないかな。
思ったより綺麗な玉ボケが入るので、ポジティブに捉えましょう。

f/2 1/100

これなんかはとても綺麗でお気に入りの一枚です。中心部は開放からしっかり綺麗です。

f/2 1/320
f/2 1/160

やはり四隅は少し気になりますが…このくらいは許容範囲かな。

f/2 1/500

前ボケを入れた感じ。

f/8 1/125

まぁそんなこと言っても寄りはだいたい綺麗に撮れるもんでしょ?と。それは本当にそうなんですよね。なので遠くの山を撮っておきました。
右上に見切れているものが気になりますがこれは私の画角ミス。描写自体は全然許容できます…正直、ここまで出来るやつだとは。


最後に簡単に私的な良いところと、気になるところをまとめておきます。

良いところ

  • 値段→安い。3万円台でAFの動く、そこそこ質感がよく、そこそこ写るレンズが買えるのは圧倒的にメリット。

  • 75mmという画角。→少し珍しい。でもAPS-Cのカメラに50mmをつけた時の画角なので、隠れ定番画角でかなり使いやすい。

  • 質感→意外と良い。金属筐体なのでちゃちい感じはそんなにしない。絞りリングはもっと硬いと良いけど、クリック感があってそれなりに気持ちがいい。値段の割には良くやっていると思う。

  • 開放からそこそこ写る→開放を捨てずに済むのはメリット。

  • フルサイズ対応。

気になるところ

  • フィルターとフードが併用できない。→なんとかならなかったかね?

  • 絞り環が軽めで、不意に変わりがち。

  • F5.6より絞り込むと実絞りになって、AFが遅くなること。

  • AFが少し不安定な挙動を見せることがあること。→今後に期待。

とりあえず前回試したSIRUI Sniperよりは普通に使えてしまうレンズですね。こっちの方が安いし。オススメです…

繋ぎで買ったはずが、これでもう落ち着きました。



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