Z6を手放して、D3を手に入れた話。
2022年だけど、何を言っているんだい?まぁまぁ、良いじゃないですか。
古いカメラ買ったけど、すごい良いのでダラダラ書き連ねます。持っていないカメラの話とか長々としますから、画像も無いですが、よろしければ。
ちょっと前の話。
2009年ごろに家のカメラを持ち出して電車の写真を撮るようになってから、デジカメはLUMIXのコンデジ1台を除いて、ずーっとNikon一筋で来ました。ギターはFender、バイクはHonda的なノリで、カメラと言ったらNikonでした。なんでって、カッコいいじゃん。Nikonがカッコよくて、Canonは絶対違うみたいなのはもう血に刻まれているんでしょう。中学生の拘りです。
といっても僕の家には一眼レフを持っていたような人は一人もいませんし、カメラマンの知り合いもいないわけです。フィルムカメラはContaxだったし…どこでNikonを覚えたんでしょうね、僕は。田舎者なだけかもしれませんけど、当時キムタクがCMやってて、スタイリッシュだったんですよね。別に少しでも風向きが違えば、今頃Canon派閥を生きていた可能性は十分にあります。何が好き、なんてのは大したことじゃないんです。そんで2012年には念願叶って、D5100を買ってもらったんですね。贅沢なプレゼントですよね、今思えば。亡きじいちゃんには頭が上がりません。
ちなみに当時(2010年代初頭)はスチル機ならコンデジか、一眼レフっていう時代。コンデジじゃないカメラでいうと、SONYはマニアックでニッチなイメージでしたし、LUMIXやOLYMPUSはいち早くミラーレスを投入していたと思いますが雰囲気的にはコンデジっぽかった(Nikon1もこの頃ですよね)。CASIOなんかが生きているコンデジ時代だったこともありましたから、一眼レフといえばニコンか、キヤノンだったような気がします。あとはPENTAXか。今よりは流通していた印象で僕が喉から手が出るほど一眼レフが欲しかった頃にはK-rのカスタムカラーが世の中を席巻していました。懐かしいね〜
そう考えると今のカメラ市場って随分変わりましたよね。PENTAXは家電屋の店頭で見かけることがなくなりましたし、SONYがミラーレス時代に頭ひとつ抜けて出た感じで、今や「ミーハー」のもつカメラでもあります。Nikonはかなりシェアを落として、SONYか、Canonか、それ以外かっていう印象です。
初っ端から話が逸れまくると、誰も読み続けてくれないでしょうが、結局何が言いたいのかというと、12歳からNikonを使って来たんです。これだけ長く使ってくると、頭の中に浮かぶ絵も「Nikonのイメージング」で形成されるもので、これをカメラで再現出来るととっても気持ちが良いな、というカメラ生活なわけです。いや、もうそれしか知らないんです。これでD5100から色々経て、Z6まで来たわけです。
きっかけはメイン機のマウント移行。
詳しくは後日記事を書きたいので省略しますが、私は8月頭にNikon Z6(Zマウント)から、 LUMIX DC-S1(Lマウント)へ移行しました。
これまで積み重ねて来た(といっても大したもんじゃないんですけど)FマウントとZマウントのレンズは大方手放して、Lマウントへ移って来たんです。残るレンズはフィルムカメラに使用するレンズや、売ってもお金にならないようなジャンク品などのコレクションです。一つを除いては…
Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-EDは手放せない。
Nikon 旧サンヨン(300mm f/4D)を6万円かけて修理した話。という記事でも書きましたが、僕はこのレンズが好きなんですよ。それこそなけなしの6万円で修理をする程度には。
300mmなんて普段使いには難しいし、飛行機を撮るならもうちょっと長くても良いなって思うし、鉄道撮るには長すぎることが多いし、なかなか重たいんです。
でもね…ライトグレーなんですよ。カッコいいじゃんかぁ…そんで写りは格別。くどくない、淡麗な写りは現代レンズの忘れ物っていう感じさえするんです。ニコンのイメージングといえば、そうそうこういう感じ!って納得できるレンズでもありました。
意外と後継のレンズより写りの評判が良かったりするので、間違いなく良いレンズだと思います。長い間ダラダラ作っていただけある。
僕の目が黒いうちは、このレンズを手放さずにいたいと思っています。
旧サンヨンの相方を探す。
しかしZ6とFTZを手放したことにより、Fマウントのレンズが使用できる「実用的な」カメラを失いました。Lマウントで、FマウントのAFを動かすマウントアダプターはありません(Eレンズならあるらしい)から、S1では使えてもおまけ程度。
このレンズを使うためだけに、Fマウントのカメラを探す旅に出ることにしました。数ヶ月前に買ったカメラをさらに新しくしたばかりですし、予算は高くても5万円くらいで。
まぁ、タイトルからして皆さんにも答えは見えているんですが、思考を後で見返すのと合理的だったり、非合理的だったり、いかにも人間的で面白いので備忘録として買いておくことにします。
とりあえず、条件として
・Fマウント(あたりまえ)。
・先述した通り、予算は5万円程度。安ければ安いだけ良い。
・画素数は1200万画素程度あれば良い。
・連写速度は必須では無いが、6コマ/sec.程度は撮れるものを優先したい。
・センサーサイズはAPS-C、フルサイズ不問。
・高画素耐性がある程度は見込めるもの。
・背面液晶はピント面がしっかり確認できるもの。
・出来ればバッテリーはZ6でも使っていたEN-EL15を使いたい。
・DC-S1は1000g overの機体なので、多少取り回しの良いものにしたい。
みたいなイメージで考えましたが、あくまで取っ掛かりのために設定した条件ですので、それぞれの候補がこれらに当てはまるとは限りませんよ。見て貰えばわかるでしょう、特に最後の二つw
候補1: D7100・D7200
候補になったワケ
S1はフルサイズのカメラですから、サブになるであろうカメラはAPS-C(DXフォーマット)にしても良いなぁという良くある流れ。
D7000シリーズ(D7500は趣向が変わった印象ですが)は最高にちょうど良いラインナップだな、と思っています。バッテリーはEN-EL15で汎用性が高く、SDカードは2枚挿さるし、連写もそれなりに速くて、絵も十分綺麗。シャッター音は重厚感はありませんが、軽やかでコレもアリ。最高のアマチュア機です。
落選したワケ
D7200を候補から外したのは価格。WiFi機能が搭載されていて、WebCamとしても使えるD7200は安くても5万台中盤〜と言った感じで、お買い得とは思いますが、サブにはちょっと高すぎました。
いまいち影の薄いD7100は画像処理エンジン、バッファ量、バッテリーライフやAF性能などが異なり、Wifiなどの現代の便利機能も搭載されていないものの、ファインダーや画素数、連写性能に差はなく、3万台まで値段が下がりますから良い選択肢ですが、うちの先輩がこの機体を買いましたのでわざわざ揃えることはないだろうとボツに。一時期、僕がZ6を買うように仕向けて同じ機体だったことには触れてはいけません。
候補2: D800/D800E
候補になったワケ
APS-Cでなく、フルサイズで考えた時に真っ先に浮かんだのはこの機体。言わずと知れた高画素機(間違いなく2012年当時は)です。今や3630万画素のカメラを「高画素機」と呼ぶのは適切でないような気もしますけど、プロ機に足を突っ込んだラインになるので、ファインダーは憧れの丸窓ですし、EN-EL15も使いまわせます。もはやサブでもなく、まだまだレフ機のメインとしてがっつり使えそうです。
落選したワケ
サブとして買うには値段が高かったです。なかなか根強い人気があるようで、まだ6万円をこえていますから今回の条件にはいまいち合いません。また高画素機ゆえに、FXフォーマットで4コマ/sec.と激遅の連写速度も相方になるレンズが出てくるであろう飛行機の撮影シーンにはさすがに遅い。
候補3: D600・D610
候補になったワケ
とにかくフルサイズ機としては魅力的な中古価格に尽きます。D600なら4万円台〜、D610でも6万円台〜です。また、D600に関しては、同じ組み合わせで実際に使っていましたので、新しく覚えることが少なくて済みます。D610もほぼD600と同じように使えるはずです。もちろんバッテリーもEN-EL15が使えます。
落選したワケ
わざわざ同じカメラを買わなくても良いだろう、と。ましてや数ヶ月で。かといってD610は2万円高いほど魅力的かといえば、そんなこともない。早々にこの案はボツになりました。D600はリコール修理を通っている個体でも、やっぱりセンサーゴミ問題が厄介なので、それもストレスになるかなぁというのもあります。でもD600はいいカメラです。フルサイズなんか買うほどでもない、って思っている人にこそ使って欲しい。フリマやオークションなら3万円台とかで買えますよ。
候補4: D300・D300S
どんどん古いカメラになってきましたよ。
候補になったワケ
D300は言わずと知れた、D500が出るまでのAPS-Cフラグシップ機です。Nikonのプロ機っぽい特徴としては左肩の「三つ葉ボタン」。普及機では丸いセレクターですからね。Z9では「四つ葉」になりましたが、D6は「三つ葉」を維持しています。この三つ葉の内容は機種によって違ったりするんですが、それはさておき、見た目からしてカッコいいんですよね。ファインダーは残念ながら丸窓ではありませんが。
D200までと違って、液晶画面も「マトモに使える」もので、連写も6コマ/sec.とそれなり。シャッター音も歴史に残る絶品です。何より…2007年モデルですから、安い。フラッグシップといっても、D300くらいのモデルならアマチュアのユーザーも多いでしょうから、シャッターカウントの少ない良個体がたくさんありますし、価格も1万円台。即買っても良いレベルです。CFカードしか使えないことも、バッテリーがEN-ELe3(でもこれはD50と共通化できるので欠点でも無い)であることも気にならない安さのが魅力です。色出しが変だという意見もあるようですが、使い始めたらちょっと変なカメラの方が面白かったりしますから、買うのを躊躇う理由にはなりません。
D300Sは2009年に発売されたD300の後継モデルで、さすがにD300よりは値が張りますがそれでも3万円もしないです。SD(SDHC)カードのスロットがついて、7コマ/sec.と若干向上したなどの違いがあります。
落選したワケ
やっぱりAPS-Cであることです。APS-Cセンサーが自体が悪いというより、やはり高感度耐性です。現代機であればフルサイズにも負けない耐性を持つ機体がたくさんあるでしょうけど、やはり古いので期待できません。この辺の年式を使うなら、フルサイズが良いよなぁ…という感想。もちろん、本当に悪条件の時は黙ってミラーレス機を使いますが、飛行機撮影でもちょっと無理してSS稼ぎたい時なんてのはたくさんありますからね、ISO800くらいまでどんどん使って行きたい。
価格と年式を考えれば、これらなんか当たり前のことなんですけどね(笑)
でもD300は欲しいですね。D3が候補に上がるまで買う気でいたので、この落選理由はちょっと「言いがかり」に近いものに感じます、自分で書いたけど。1万円で遊ぶには最高の機体でしょう?
本当のことを言えば、次の候補に心移りをしたから、ということだけです。
候補5: D3
候補になったワケ
D3なんて買うつもりはこれっぽっちもありませんでしたが、それでも候補になっちゃったのは D300と同期だからと言わざるを得ません。調べていると、D3のこともたくさん出てくるんですよ!(あとD700)。
これは紛れもないフラッグシップモデルってやつで、縦グリ一体型のどデカいボディです。カメラをやっていて、これに憧れない人なんているの?っていうくらい、神々しい存在です。現行のD6なんかはZ9を買うよりチャンスが無いし、型落ちとはいえD4も僕の持っているどのカメラよりも中古の値段が高いです。要は高嶺の花なわけですけど、そんな花ほど美しいわけで。欲求がそちらへ傾いていきます。条件を
D3Xは論外、D3Sはまだ少し予算オーバーでしたので、D3を調べていると、条件があえば(かなり難しいけど)フリマやオークションで4万円くらいで手に入るじゃないですか。
もうここを漁るしかない。
D3の中古市場は荒磯。
D3はフラッグシップ機です。プロが使う高速連写機です。つまりはシャッターカウントが耐久値とされる30万回をゆうに越えているものなんかザラで、外観も満身創痍なものばかりが市場に並ぶのです。そんでオークションに上がるのは状態未確認品ばかり。修理対応が終わってるのにこれでは大変…荒れ狂う海に私は船を漕ぎ出してしまいました。でも、後戻りはできない。
結果としてこの荒波の中からD3をお嫁にしたのです。
実は2台買った。
正確に言うと、今持っている子は2台目。
1台目は某通販サイトの中古品を購入しました。外装がボロいけど、4万ちょいで手に入りました。
先に言うとこの個体は返品することになりました。何故かと言うとグリップのゴムが劣化して剥がれたり、変形して浮いてしまったりしていたからです。元々外装にケチをつけるつもりなんか一切ありませんでしたが、これらが説明されていなかったので、流石に問い合わせをしました。出品していたお店の方も寝耳に水のようで、返品に応じていただけたので助かりました。無理だったら、AliExpressあたりからラバーパーツを仕入れて、全部自分で張り替えるつもりでいましたけど、上手く出来るかは別問題。
ちなみにこの個体はシャッターカウント77万回という見たこともない数字でした。シャッター音に違和感はなかったので、シャッターユニットを交換されているかもしれませんよね、流石に。にしても倍以上は凄い是非この歴戦の兵と旅をしたかったものですが、ご縁がありませんでした。
D3を買う、しかも奇跡の個体を。
上の個体を返品して、数日。
もう一回手にしてしまった旧フラグシップ機に魅了されてしまったので、もうなんでも良いから欲しいような状態で手に入れたのが今の子です。
綺麗じゃないですか?びっくりするくらい。
モニターカバーにヒビが入っている程度で、良く取れちゃっているシンクロ端子のカバーも綺麗ですし、ホットシューカバーは純正のメタルプレートが入っています。前のオーナーさんがとても大事に使っていたことがよく伝わってきます(私だったらこんな綺麗に使い続けられる気がしません)。
シャッターカウントは1.2万回
正直、私はシャッターカウントというデータをそこまで進行しているタチではありません。機械なんで30万回の耐性といっても、1万回で壊れるかもしれないし、100万回まで元気に動くかもしれないわけで。まぁひとつの目安としてウェブ上のサービスを使用して調べてみたらおよそ12000回…うちにあるどの機材よりも少ないぜ…本当に2022年?こんなD3、まだ世の中にあったんだ。
ちなみにD3の生シャッター音、最高ですよ。
ガシャッとかじゃないですよ。バリバリバリバリという乾いたカッコいい音がします。ASMRしたい。
サンヨンとくっつけてみる。
はい、優勝。優勝でしかない。
D7000→D600→Z6→D3、やっとレンズに似合うカメラになった気がします。
総額いくらだった?
中古で手に入れたものの値段を晒したところで、誰の役にも立たないと思いますが私はこれを6万円強で購入しました。もちろん純正アダプターと、バッテリー(互換・純正)つき。さすがに世代的に純正バッテリーはヘタっていますけど。ちなみにアダプターは互換品でもやたら高いので付いてないのをノリで買うと痛い目にあいます。
ボディ単体でも、この状態なら比較的安価であると思いますが、このカメラは小三元の標準ズームと拡大アイピースが付属してきました。
それぞれ良いものでありましたが、私には必要のない代物でしたのでしばらくしてからどちらも売却。この売却益で3万円ほど稼ぎましたので、実質3万円強で購入できました。3万円強でこの状態のD3には間違いなく出会えませんので、奇跡に近いですよね。
なんかもう、ひとつのニコンドリームの結実って感じ。
ニコンの一眼レフを初めて10年、ついにフラグシップ機を買えました。
もちろん、D3は現在の優秀なカメラに比べたら劣る部分が多いでしょう。当たり前です。10年以上前のカメラです。
でも丸窓、三つ葉ボタンに縦位置一体型の大型ボディという、「憧れ」が数万円で手に入ったんです。写真趣味には留まらない、機材趣味の観点から言えば今私はサイコーに良い気分です。
今メインで使用しているLUMIX DC-S1は非常に良いカメラです。Z6では湧き上がらなかったカメラが好きという気持ちを思い起こさせてくれます。でもAFは鉄道写真で使うには絶望的に相性が良くないと感じています。これは私がこのカメラをもっと研究していきたい部分ではありますけど。
そのためD3は立ち位置的にはサブ機ではありますが、撮り鉄や飛行機撮影にはある程度、メイン機材として使っていきます。
あ、もちろん使っているうちに気づいた良いポイント、悪いポイントなんていくらでも出てくるでしょうから、これは後で機会があればまとめます。
ちなみに今のところはCFカードちょっとめんどいってのと、センサーが汚れやすいのでレタッチもめんどい時があるくらいで楽しいカメラです。
まだまだ撮影にそこまで行けていないのですが、最後に拙作を載せてお別れといたします。
無駄に7000字以上書いてしまいましたが、ここまで見てくれた方がいらっしゃいましたらお疲れ様でした。
ダラダラ書き下しているだけですが、良かったらまた見にきてください。
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