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「死んだ魚のような」は万国共通?
日本語で「死んだ魚のような目」という言い方があるが、英語にもdead as a herringという慣用句があって、「完全に死んだ」とか「すっかり廃れた」という意味で使われている。
かつてヨーロッパでは塩漬けニシンが重要な交易品の一つになっていたが、この言葉が誕生したのはこうした時代背景がある。
塩漬け魚に絶望を見出すのは欧米だけではない。中国語で「咸鱼」というのは本来「塩辛い魚」という文字通り塩漬け魚・干物を指していたが、現在ではネットスラングで「希望を失った人」、「無気力な人」という意味で使われている。
こうした言い回しは広東語に由来するらしく、他にも「炒鱿鱼(イカを炒める)」が「解雇する」という意味のイディオムになる。
これは中国で従業員が解雇されて寮から引き上げるとき布団を丸めて片付ける様が、焼かれたイカが丸まるのと似ているのに由来するんだとか。