Life Story 3:副業スタート
忙しさは、さらに激しさを増していく。
実はIT企業に入社してすぐに、副業も始めていたからだ。
なぜその状況で副業を始めたのか?
そのきっかけは大学4年生の時、IT企業との出会いの数か月前。もう一つの衝撃的な出会いが関係していた。
後輩からの情報
「防衛大学を卒業した先輩で、マッキンゼーの経営コンサルタントとして活躍している人がいます。」
進路に悩んでいた時、同部屋の後輩からそんな先輩の話を聞いた。
経営コンサルタントなら、いろいろな業界のことを知っているだろう。どんな進路へ進めば、成功できるか教えてもらいたい!
そう思った私は、話を聞きたいのでぜひ紹介してほしいと、後輩に頼み込んだ。
先輩Iさんとの出会い
そして出会ったのが防衛大学の2つ年上の先輩Iさんだった。
出会った瞬間、そのオーラに圧倒された。頭の回転がきわめて早く、何気ない話でも強烈に惹き込まれるカリスマ性がある人だった。
先輩は自宅に招いてくれて、仕事の経験談などを聞かせてくれた。
彼は経営コンサルタントとして活躍する傍ら、副業でネットワークビジネスをして月数百万の収入を得ているようだった。
初めての刺激的な話に興奮しながら、私は質問した。
「どうしても成功したいんです!ただ、どんな進路を選んだらいいのか分かりません。どんな業界を選べば成功できるでしょうか?」
そう聞くと、彼は次のように答えてくれた。
「どんな業界に行ってもサラリーマンである限り本当の成功は掴めないよ。成功したいならできるだけ早く事業を始めて、経済的自由を得ることを目標にするべきだ。」
幼いころの記憶
先輩からの話が衝撃で、その日の夜は興奮して眠れなかったことを覚えている。それは「経済的自由」という言葉に強烈に惹きつけられたからだった。
なぜその言葉に惹かれたかといえば、幼い頃の経験が関係しているだろう。
子供のころ、両親はケンカばかりしていた。毎日怒鳴り声が飛び交い、時にはモノが飛んでくることもあった。我が家は裕福な家ではなかった。共働きで、両親はいつも忙しく、遊んでもらった記憶はほとんどない。
お金が無いことで不自由な人生を強いられている、そう思った。
だからこそ、「経済的自由」を手に入れるという先輩の言葉が強く心に刺さった。
ネットワークビジネスを始める
社会人になってすぐ、私は再び先輩のもとを訪ね、ネットワークビジネスをやらせてくださいと伝えた。
こうしてIT企業とネットワークビジネスのダブルワークが始まった。
土日は同僚が休んでいる中、私はネットワークビジネスのセミナー研修に出たり、勧誘活動をした。
社員寮で同僚と同じ部屋に住んでいたこともあり、土日も朝早くからスーツで出かける私を見て、「こいつは何をしているんだろう?」と怪しい目で見られていたことだろう。
さらには、平日もネットワークビジネスの打ち合わせ等で先輩からは頻繁に連絡があり、呼ばれたら絶対に断れない!(自衛隊仕込みの絶対的な縦の関係だ。「はい」以外の選択肢は存在しない。)仕事を抜けて、飛んで行くこともしばしば。
平日は18時間労働。土日も朝から夜まで飛び回り。睡眠は毎日3時間。
いよいよ忙しさは苛烈を極めていた。
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