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漫画『Dr.STONE』で得た学び|先が見えない中で模索し続けること

友人に貸してもらった漫画『Dr.STONE』(ドクターストーン)

面白すぎて全巻一気読みした……!

何これ、めちゃいいじゃん!
よく読まずに今まで生きて来れたな私……

感想と学んだことを、ネタバレありで語る。


概要とあらすじ

原作:稲垣理一郎
作画:Boichi

『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた作品で、27巻(2024年4月発売)で完結済み

1巻のストーリーはこのようになっている。

一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後――。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!

初期の頃は特にサバイバル的な側面が強く、モノづくりが好きな人にオススメ。

私はものづくりに全く興味はないけれど、科学や人類の叡智好きだからブッ刺さってしまった……


好きなキャラ ベスト5

ストーリーももちろん良いが、やっぱりキャラクターの魅力が素晴らしい。

良い味出してるからみんな大好き!

「強いて言うなら」という観点で、個人的BEST5を紹介してみる。


5位 獅子王 司(ししおう つかさ)

「霊長類最強の高校生」とされている。

素手でライオンすら倒せるほど攻撃力が高い上、常に冷静で理知的。

石化前の世界を憂い、自らが選んだ若者だけを蘇らせて「司帝国」を作る。

初見の時には
「え、彼はいい人なの?悪い人なの?」
と戸惑ってしまうかもしれない。

「選ばれし者しか必要ない」
として石像(人間)を壊していたが、重病の妹が救われるかもしれないと気づいてからは考えを一変させた。

でも、彼の姿勢は1ミリも変わっておらず、常にまっすぐ。ただ途中で優先順位が変わっただけなのだ。

カリスマ性も高い。

作中最強(素手では)の力を持ち、顔も美しく、性格も純粋。確かに、もし実際にいたら皆夢中になるだろうなぁ……

身体がゴツすぎて個人的な好みからは外れているけど、顔は好き!


千空たち初期メンバーとの絆も素敵だ。


4位 七海 龍水(ななみ りゅうすい)

海運会社「七海財閥」の血を引く人物で超金持ち。有能な船乗りで、勘がよく当たる。

口癖は「欲しい!」で、世界のすべてを欲しがる強欲さを持つ。

龍水にはシンパシーを覚える。

もちろん彼ほどではないけど、おそらく私も「恵まれていた」から。

運も悪くなく、周囲の人のおかげで何とかなってきた部分が大きい。

でも、彼を見ていると
「そうか、別にそれを引け目に感じなくていいのか! そしてこの世のすべてに欲を抱いてもいいのか! 確かに欲って進化に必要だし、悪いことだらけじゃないよね」
と思わされる。

そう、強欲なところもよく似ている……

人類の知能・進化を全肯定する半端ないヒューマニズムが、彼の中にはある。

とは言え、単なる「我欲の塊」かと思いきや、意外とそうじゃない事実にも驚かされた。
(物語の最後のほうで実感する)

「賢い」「操縦の技術が高い」
という部分にも憧れる。多分、大航海時代への憧憬の念が私の中にあるのだろう。

人間らしく、感情を何より大事にして生きているところが素敵。

豪快な性格もめっちゃ好き!


3位 スタンリー・スナイダー

天才科学者・ゼノの親友。

石化前は米軍特殊部隊の隊長だったこともあり、射撃の腕はピカイチ。

「できるか?」
「ああ できるね」

のやり取りが最高に良い……!

有能さだけでなく、状況判断を的確にできるところにも痺れる。

やっぱり優秀な人には憧れる。私にも「誰かを崇めたい気持ち」があるんだなぁと。

そして、昔からなぜか「射撃が上手い人」に憧れる。自分が近眼で到底叶えられそうにない偉業だからだろうか? それとも銃を扱ってみたいのか?

のび太も良いし、『名探偵コナン』の赤井秀一もこの理由で好き。


その上、米軍と言われたら「世界最強」な気になる。私の中では未だにアメリカが「世界の警察官」的な国家なのだろう。

常にタバコを吸っているところもカッコいい。

現実世界では煙草の臭いが大嫌いだが、創作でやられると反則なんよ……『ONE PIECE』のサンジも好きだし。

イマドキの人は煙草への憧れ感情がゼロなのかな? こういう時には自分の「昭和生まれっぽさ」を感じる。


そしてスタンリーは顔が良すぎる。色気もすごい。

作中では年齢が他の人より高めだけど、よくよく生年月日(1993年9月1日)を見ると私より年下だった……


2位 あさぎり ゲン

司が復活させた元芸能人でマジシャン兼メンタリスト

常にひょうひょうと話していて、何を考えているか分からない。

司帝国側のスパイだったが、千空たちの作る科学帝国に惹かれて仲間に加わる。

口八丁手八丁の人は、正直言って嫌いだ。もしゲンが現実世界に存在していたら、嫌悪感が半端ないかもしれない。

でもキャラとしては大好き!

人心掌握は大事だし、そもそも人は気持ちが9割だと思っているから。

「ゴイスー」「ドイヒー」
などの業界人っぽい口癖は、正直読みづらいんだけど……

また、人の心理に関する豆知識を披露してくれるから勉強になる。

「人が認知して深く付き合える人数は150人まで」という、いわゆる「ダンバー数」の理論は1番参考になった。
(否定する研究もあるらしいが、目安として知っておいて損はない)

今後コミュニティ関連で活動する際の参考にしていこう!

実はこういう「陰の立役者」キャラに憧れる。天才でもなく腕力もない自分がもし目指すなら、こういう方向かなー? とも思うので。

ただ、私はうまく人を騙せないのだけど。


1位 石神 千空(いしがみ せんくう)

物語の主人公。

人並外れた強い好奇心・超人的な頭脳を持ち、石化した世界を科学の力でどんどん変貌させていく。

効率主義で合理的な考えをする一方で、仲間や人間を想う気持ちは非常に強い。

やっぱり最高なのは彼!

私が惹かれたのは鬼メンタル(メンタルが強い)なところ。

どんなに困難な出来事や悲しい現実を前にしても、心がぽっきりと折れない。何度か折れそうにはなったが、見事に立ち直った。

千空には知識だけでなく「知恵」がある。

何があっても考えることを諦めず、残りが1秒しかなくても絶対に勝負を放棄しない人。

科学者や現代人皆がそうではないからこそ、「こうありたいものだ」とつくづく思う。

あと、普通に顔がかっこいい!

この漫画は長髪イケメンが多くて個人的に眼福……惚れ惚れ。

やっぱり2次元はいいわー、漫画って最高!(アニメより漫画派)


私に似ているキャラは?

少々不本意ながら、銀狼(ぎんろう)だろうな……

兄で超真面目な金狼(きんろう)と共に、石神村で門番をしていた。

臆病でずる賢くてサボり癖があるが、根っからの悪人にはなりきれないキャラクター。

自分には、どうしようもない狡さ(ずるさ)があると思う。

まったく同じではないけれど、臆病で楽な方に流れて欲望を隠さない部分は超似てる。


でも金狼を見て「このままでいいのか?」と踏ん張ったり、いざという時に頑張れたりするのは良いところだし、なんかリアル。

『ONE PIECE』のウソップと似てる気もするが、個人的にはウソップよりも共感できた。



Dr.STONEのキャラを詳しく知りたかったら、この本がオススメ!


Dr.STONEから学んだもの

色々と学んだので、重要な部分をメモしておく。

① 先が見えなくても諦めない気持ち

過去について、私たちには結果しか見えない。

歴史を学んでいると
「この時、こうすれば良かったのに」
なんて思うこともある。でも、それは単なる結果論でしかなくて。


当時の不安感や閉塞感など、本当の意味ではわからないのだ。

あとから見たら「そんなこと?」って思うけど当時はやっぱり必死だから。

今後さらに正解主義では生きていけなくなると思うから、念頭に置いておきたい。

コツコツ続けること、好奇心を忘れないこと、仮説と実験を繰り返すこと……

科学に必要なこれらの行動は、単に「知識を得ること」よりも重要。

実況中継の重要性というか、
「過程を知っているからこそ人がついてくる」
ということは、実際にあると思う。

科学的知見は今後も大事にしたい、と痛感した。

陰謀論に騙されないようにするためにも、正確な情報に触れたい。

正確な情報に触れるための努力もしていきたい。


② 地球環境問題への希望

人類による地球環境破壊はつい悲観したくなるけれど、まだ結果が決まったわけじゃない。

この漫画のようにスムーズに進むとは思えないが(意思決定も全然簡単じゃないし共通の敵も夢もない)、それでも。

まだ道はある。今ここに生きてる人たちがいる。

「希望を捨てるな」
と言われたような気がした。

物語の力は怖くもあるけど、心強くもある。
集団の結束力を高めるには物語が1番効く。

私たちホモ・サピエンスは本当に物語が好きなんだなぁ……

「そりゃあ手放さないわけだよ、ストーリー1つでこんなに気持ちが変わるんだもん」
と感じた。(特に最後のあたりで)


③ 動じない心

主に千空と百夜から、「動じない心の重要性」を学んだ。

どんなに困難でも、絶望的でも、まだ先はわからないから。

ハッピーエンドでもないが、お先真っ暗と決まったわけでもない。

科学や医療って、そういう気持ちから進歩したんじゃないのかな?


人には「知りたい」という欲がある。

ただ、「なんとかしたい」「現状を打破したい」とする "必要の力" も結構大きい。

「必要だから、作る」
「こういう未来があってほしいから、進む」

という意志の力を感じた。

悩みがあるとすぐ深刻になってしまいがちだけど、悲観は必要ないなぁと。

淡々と、コツコツやっていこうと思えた。

先のことはわからないから。


④ 適材適所と臨機応変

合理的というか効率的というか……

誰にでも、それぞれに「できること」がある
多様性という意味においても、どんな人・物も不要じゃない。

人間は社会的な生物だから「役割を果たしたい」という欲求が誰しもある。

さらに、それは状況によって大きく変化する。

たとえばクロムは「石ころ集め少年」だったが、千空に見出されてからは「科学者」「千空の右腕」になった。

カシラは「厄介者扱いされたくないから」興味のある中で実際に人に必要とされるものを作って引退していたが、好奇心を刺激されて「必要に応じる」形でどんどんメカを作っていったし、心からの友達もできた。

マグマは変わりたくないから反発も大きかったけど、それでも自分なりに気持ちに折り合いをつけて適応していく。

「ここからどう変えていくか?」
も、とても重要なテーマ。

「今ここからでも変えられるんだ」
という確信や根拠のない自信を持てる人は強い。


⑤ 予防線を張らない

クロムやコハクに特徴的だが、予防線を張らずこの瞬間に賭ける行動がすごかった。

私はよく予防線を張りがち。

超ビビりだから怖くて、プランBをあらかじめ考えてしまう。

でも、実は人生それ自体が賭けでもある。

進学、結婚、就職、……やってみないとわからないことも多い。

もう1つの道を進んでみて分岐点に戻るとか、できない。

ギャンブルとまでは言わないが、「ええいままよ」的な気持ちがゼロでは生きていけない。常に安全圏に居続けることは不可能だから。

時々意識していきたい。


まとめ

噂には聞いていたけれど、『Dr.STONE』がこんなに良い作品だとは知らなかった……

『チ。』が好きな人はハマるのでは?


私の「今年のベスト3漫画」に入るはず!(最近毎年発表している)


この物語に出会えて本当に良かった……
貸してくれた友人には大きな感謝を送りたい。

とにかくオススメのシリーズ!


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