見出し画像

ハートネットTV 虐待の“後遺症”を抱えて(1)「成人後の生きづらさ」を見て

スガカオルです。
久しぶりの更新となってしまいました。

先日放送のハートネットTV 虐待の“後遺症”を抱えて(1)「成人後の生きづらさ」の感想を書いてみたいと思います。

まだ見てない方は見逃し配信もあるようなので、是非観てくださいね。

羽馬千恵さんのパート

羽馬さんの著書「わたし、虐待サバイバー」は発売当初に購入し、既に読んでいました。
まだお読みでない方はこちらよりご購入できます。

彼女の壮絶な虐待を知っていたので、今回の羽馬さんのパートは冷静に観れました。
そして、わたし自身の虐待とあまり被らない部分が多いことも、冷静に観れた要因だと思います。

しかし、やはり思うのは、何故保護されなかったのだろうかという部分です。
これだけ壮絶な虐待でも周りは見て見ぬふりをしていたからではないかと想像してしまいます。

そもそも、虐待を受けていることは家庭内のシークレットとして、隠し続けなければならないという謎の使命を抱えてしまいがちです。
そのためにSOSを出すことが難しい。

1人で抱えてしまうと回顧していました。

羽馬さんは大学受験を期に親と離れることに成功したのは、本当に良かったと思います。
しかし、虐待サバイバーの中で実家との距離を取れた人はもしかしたらごく一部なのかもしれないと感じています。

虐待中の不安定さで周りからの援助や精神科の受診を受けられている現役の子どもたちもいるでしょう。
しかし、私たちの世代は高校生の頃にようやく児童虐待防止法が制定、施行されました。
あまりにも遅すぎます。

当時はスクールカウンセラーもいなく、スクールソーシャルワーカーもいません。
今の環境が整ったのには、私たちのような声なき声が土台になっているのだと思います。

今の支援のある環境にいる人を妬んでしまう気持ちは、私の中にもあります。
そこが共感したところです。

それは救われなかった子どもの頃のわたし自信が羨ましいと妬んでいるのでしょう。

菊池啓さんのパート

菊池さんのパートは子どもを持っていないわたしにとっても、疑問だった部分です。
愛されなかった自分が子育てをしても虐待をしてしまうのではないか?という疑問に答えを出してくれたような気がしました。

菊池さんが真正面から子どもに秘密を作らず、向き合ってきた姿にはわたしには計り知れない多くの涙を流してこられたのではないだろうか?と想像します。

インナーチャイルドが目の前にいる現実の子どもに嫉妬することはわたしにも経験がありました。

大人になってショッピングモールを歩いていると、母娘で買い物をしている姿に涙しそうになるのです。

子育て、家族の中にいる中で涙を流すことは隠せないことです。
それをひとつひとつ説明して理解してもらったことは菊池さんの大きな努力と家族への愛情たったのではないかと思いました。

それは、娘さんの「リスペクト」「お母さんは連鎖を止めたんだね」という言葉が物語っているように感じます。
たくさんの感情を自信で学びながら癒していったからこそ、今の笑顔の絶えない家族の姿と菊池さんの包み込むような愛情と行動力が備わったのだと感じました。

総合的感想

精神科医の西澤哲先生が、「専門家がトラウマや虐待の後遺症を学んでいかなければならない。当事者のほうが専門家だ」という趣旨の言葉を述べられました。

それに当事者のお2人が頷いている場面が象徴的でした。

虐待サバイバーが自分の状態をよく知っていて、専門家である精神科医や心理士、ソーシャルワーカーがついていけてないのが現状です。
もちろんよく知っている専門家もいますが、それはトラウマや虐待の後遺症、愛着障害などを専門にしている方々です。

そうではなく、普通の精神科医も虐待の後遺症を熟知する必要はあるし、トラウマの影響についてよく知る必要があるのだと感じます。

一般的な統合失調症やうつ病と同じレベルでトラウマや虐待の後遺症について精神科医が知るべきと思います。

また、回復していくことが何よりの助けになっていくと感じました。
わたしも自分の過去と向き合いながら心の傷を癒していく、回復していきたいと強く思いました。

そして、虐待サバイバーとして、できる限りの発信をしていく必要性も感じます。
支援を受けたときには虐待から離れていながらも後遺症でボロボロになった状態でした。
支援が届かなかった私たちが声を上げていくことが重要だと感じました。

だからこそ、今回感想を書くことにしました。
何ができるか、自分の頼りなさや病状もありますが、書くことしか今のわたしにはできません。

何か自分にできることがあれば嬉しいです。

読んでいただきありがとうございます。

ではでは、またね。


スガカオル

いいなと思ったら応援しよう!