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「教えない授業」が成績を上げる!?学校での学習を効果的にする方法

先生の話を聞くだけでは学校の成績は上がらない

家庭で我が子に、こんな声をかけていませんか。

「先生の話をしっかり聞いて覚えなさい。」
「授業中は静かにするのよ。」

学校では、静かに話を聞くようないわゆる「いい子( ?) 」でいることが、成績向上につながるのでしょうか。

教えない授業と子供の成績

2014年、横浜市内の小学校で、ある研究が行われました。そのテーマは「子どもが漢字を効率よく覚えるには、どうしたらよいか」です。研究はとても簡単なものでした。

(詳細は、下記の書籍より)

小学校の2つの学級で漢字テストへ向けた漢字学習の答え合わせを行いました。

A学級では通常通り先生が答えを教えます。
B学級では、子どもたちだけで教え合うグループ学習をして答え合わせをします。

つまり、答え合わせで先生は、漢字を一切教えませんでした。Bのクラスでは、先生が教えることをやめたのです。

1週間に1度のペースで答え合わせを行いました。A学級では先生が教え、B学級では子どもたちだけで答え合わせをしました。そのまま5週間が経過し、計5回の漢字テストをやり終えました。すると、2つの学級のテストの平均点に大きな差が生まれました。

教えるだけの授業では子どもの成績は下がります

小学校では少しずつ難しい漢字を習います。効果のない学習を続けていると、勉強が難しく感じ、少しずつ成績も下がってしまうかもしれません。そんなこともあってか、先生が漢字を教えていたA学級では、少しずつ平均点が下がっていってしまいました。漢字が難しくなるのですから、仕方のないことかもしれません。

しかし、先生が教えずに、子どもたちだけで答え合わせをしたB学級の成績は向上を続け、5週間後には先生が教えた学級よりも百点満点中8点も平均点が高くなったのです。先生に教わっていない子どもたちの方が成績がよいというのは、とてもおかしな話のように感じます。

教えない授業で成績が上がるのはどんな子?

さらに分析を続けると、このようなこともわかりました。教えてあげたり教えてもらったりと、子どもたちが主体となって学習をすると、いわゆる学力の高い子と低い子の両者の成績がより向上することがわかったのです。もちろん平均的な点数を取る中間層の子どもの成績もわずかに上がっていたのですが、より効果があったのは、これまでの成績がよい、あるいはよくない子たちでした。

漢字の学習に苦手意識を持っている子どもには、先生の声や板書だけでは足りないのでしょう。このように小学生にとっては、先生の授業の声はダイレクトに子どもに届かないのかもしれません。

子どものために必要なのは環境づくりです

家で親から言われる「勉強しなさい!」も勉強に苦手意識を持っていたら、また同じかもしれません。それよりも、多様な子どもたちが誰とでも共に学べる環境を創ることが、周囲の大人たちには必要なのでしょう。

個性や性格による言動の違いを、違いとしてみんなが認め合い、子どもたちが安心して学び合える文化を学校・学級に根付かせたいものです。誰とでも仲良くし合えることに学習の真意があるのです。

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