すがゆき
ウェディングプランナーは見た!本当にあった結婚式現場の裏話。(2000字)
短歌、あなたもやってみたら?と勧められたのでこっそり始めてみます。エッセイつきの短歌です。テーマは『季節の花』
眠る前のホットミルクのような短いお話(エッセイ)です。(1000字) 読みながら聴いてほしい音楽を添えて。 『眠れない夜に』essay+ プレイリストはこちら https://music.youtube.com/playlist?list=PLctqDW_rRbdWBYUz8KdOVF3pGW_hhLuY8
今の地に引っ越してきたのは25年前、娘が3才の頃だった。近所のジャスコに遊びに行くと、いつも立ち止まらず通り過ぎるテナントがあった。シュッとかっこいいデザインのビジネススーツや知的ブラウスが並んでいるお店。 3歳の娘と手を繋いで歩きながら思った。 「あ~きっと私はこんな服を着ることはこの先ないんだろうな」 たかがジャスコと笑うなかれ。1万円スーツでも着る機会がなければ買えないものだ。 それはTVに映るアイドルのかわいいフリフリ衣裳に憧れつつ「あ~こんなかわいい洋服を着る機会
そのイベントは、地域の伝統工芸品を販売しているだけでなく、その場で職人さんが実演しているという。お土産売り場のちょっと高級ゾーンにあるようなものって「へぇーすごい技術だねーキレイだねー」と見るだけで買わないし、正直もらってもそんなに嬉しくない。しかし作っている所は見てみたい。作っている人と会って話ができるこの絶好のチャンスに、ガチ職人好きの私は会場の体育館に赴いた。【会津ブランドものづくりフェア】 伝えていく これを作れるのは一人しかいません!という巨匠がゴマ粒よりも小さ
【はなのうた】 うちから会社に通っていた娘が転勤になった。しかしうちからも通えない距離ではなく、すぐには引っ越さなかった。会社からは交通費が出るし、しかも新幹線通勤も認められて今時の会社はエライ親切。ほんとに新幹線で行くような距離じゃないのに。もう引っ越さなくてもよいのでは…? バスと新幹線を乗り継いでうち(実家)から通うか、それとも会社に近い場所にアパートを借りるか。無論アパート代も住宅手当が出て70%は会社負担だ。(会社員てスバラシイ) 恐らく会社としては、新幹線の
いや、かまぼこ寄りのカニって(笑) そんなカニいますかね? なんか最近おいしいカニカマが出てきて、味も食感も本物そっくりで、「なんなら本物のカニよりも美味しいぞ」という感想を耳にしたカニが、「こりゃヤバい。寄せていかねば」と思ったかどうかは知らないが、似たような形で日常生活に潜む『かまぼこ寄りのカニ』的なものを探してみる。 つまりそれはモノマネ寄りのご本人とか? 郷ひろみだって初めからそんなにGO!GO!JAPAN!て言ってなかったはずだし、川平慈英が華丸さんに寄せてい
これは、年に一度の検診に行ったという只それだけのことを書いたものです。(2000字) * あなたが一番ハードルが高いと思う検査はなんですか。 どちらも選びたくない極みである【バリウムor胃カメラ】、大きくても小さくてもご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちになる【マンモグラフィ】、それとも【子宮検診】の屈辱的体位、、、男性の検査はわからないが女性もそれなりにツライ。 これらの検査、通常○万円分がなんと無料です!さらに今なら市営駐車場の無料券をプレゼント! …我々はそんなチョ
【はなのうた】 神社の手水が使えなかったコロナ禍、あれはいったい何だったのだろうか。 境内の入口にはアルコール消毒液が置かれシュッシュとお清め。使用禁止の手水に花を飾る”花手水”がSNSで話題になり、映えを競う神社界隈に若干ひきつつ華やかな手水舎ウェルカムフラワーには心癒されていた。 今年の春、小さな神社にお花見に訪れると手水が解禁となっていた。映え用の花は一切飾っていない。清々しく潔く硬派。しかも粋なことに、しだれ桜が手水に映っている。 こんなにもさりげなく情緒あふれ
「気功が他の運動と違うのは意念」 と先生が言った。意念とは?? 意識と意念 気功や太極拳を習う時、まずは動作の基本的なことを教わって見よう見まねでやってみる。体がほぐれて温まって汗をかいて。ジムやストレッチでもウォーキングでもそれは同じだけれど、気功はただ体を動かし運動するだけではない。心を穏やかに整え、からだを慈しみ、自身と会話をする。 身体をどう動かすか考える知識や理性の部分が【意識】、その時どう感じるか感覚や気持ちが【意念】である。 なるほど。意念という言葉は初め
きれいな景色を前に 「深呼吸をしましょう!はい、息を大きく吸って~」 と促されるも、ちょっとしか吸えない。 大きく腕を広げて、大自然のおいしい空気を胸いっぱいに吸いこみたいのだが、うまくできない。 日頃から姿勢が悪く、猫背&スマホ首のせいで息苦しい。 呼吸が浅い。仕事のストレスも加担して溜め息ばかり。 だからたまには運動をしてリフレッシュして深呼吸をしたいんだけど。 なぜ深呼吸がうまくできないのか。 吸う前に吐く。 深呼吸とは、息を吸う前にまず吐くのである。 溜め息
押入れに長い間眠っていた古いステレオコンポをついに処分しようと決めた。前々から夫に「捨てたら」と言われていたが、言われなくとも捨てた方がいいことは重々承知していた。そこにミニコンポ2号、及び3号も加わっていて明らかに余分である。 レコードからCDへ。ステレオコンポ(1号) いやはやステレオやCDが無くてもいつでもどこでも音楽が聴けるようになるとは、あの頃の私は予想だにしなかった。高校生の私は、お手頃価格で好きなレコードが借りられるレンタルショップに胸をときめかせ、レコード
手に力が無くてペットボトルのキャップを開けられない、というのは高齢者になってみないとわからない事のひとつだ。我々は言われないと気が付かないし、言われたとて『そのくらい、頑張ればできるだろう』と思っている。それで高齢者の目の前にドンとペットボトルを置き「ご自由にどうぞ」などと言っている。100均には便利グッズも売っているらしいが、外出先では困ってしまうだろう。 ペットボトル難民 買ってもどうせ開けられないからと、飲物を買う事を諦めてしまう人もいるそうだ。まさかそんな理由で飲
【はなのうた】 最近ではSNSで訃報を知ることも少なくない。 独り言のようなその投稿は、フォトスタンドの画像と、写真の中の人になってしまった夫に語りかける言葉だった。 結婚式はゴールではなくスタートだし、プランナーだって結婚式までの短いおつきあいにしたくないと思ってきた。レストランやホテルなど日常でも訪れることが出来る場所で、結婚式が終わっても「また来てくださいね」と言える仕事をしてきたつもり。 なかなか会う機会がなくても卒花さんのSNSをフォローさせていただき、「子ど
同じ話を繰り返し繰り返しするものだから 同じ話を繰り返し繰り返し聞くことになる。 周りは年齢のせいにばかりしているが、当の本人は『話が伝わっていないのではないか』と疑ってのリフレインなのかもしれない。聞く側の姿勢にもよると自戒しつつも、同じ話を何度も聞かされるのは正直結構キツイ。 いつものように軽く相槌をうち受け流し、切り上げるタイミングを見計らっていると、 彼女は肝心な所で痛恨のミスをした。本人はミスに気づいていないようだ。いや、それとも私がちゃんと聞いてるかどうか試し
【はなのうた】 高校の時の同級生だから、故郷で会うのはもう何十年ぶりだろうか。 通いなれたはずの学校の周辺も街並みが変わり、懐かしさも曖昧で不思議な気分。無理もないか。いつのまにか長い年月が経ってしまった。 ちょっと曇ってるけどひまわり畑を見に行こう。もう咲いてるはず。 故郷の小さなスキー場は、夏の間お花畑になる。 駐車場に車を停めて丘の上から見下ろすと、ひまわりが全部後ろ向きだった。これじゃ花が見えないじゃない。 ひまわりって太陽のほうを向いて咲くっていうけど違う
日曜の遅い朝ごはん。 フランスパンに手作りのブルーベリージャムとクリームチーズをのせる。 ヨーグルトには冷やした桃と冷凍しておいたブルーベリー、プルーンのジャムものっけて。 娘は言う。「このヨーグルト、お店で食べたら1000円くらいするよ」 そうだね、お店で食べたら1000円くらいするね。でもお店じゃないからお代は結構です。 桃はいただき物だし、ブルーベリーもプルーンも畑から採ってきたからゼロ円、かかったのはヨーグルト代と、ジャムを煮た砂糖とガス代、畑までのガソリン代くら
私が就職したのは昭和63年(1988)。 平成になる前の年だから、まさに昭和最後の新入社員である。 世はバブル景気真っ只中。高卒で何の取柄も資格も専門知識もなかったが、就職先には困らなかった。当時の女子の憧れの職業は、デパートのエレベーターガールや企業の受付嬢、トレンディーなハウスマヌカンなど、、、憧れとは読んで字のごとく童心なのである。学校には求人票が山と積まれ、私はその中からカーディーラーを選んだ。ハイレグのレースクイーンはさすがに恐れ多いが受付嬢くらいなら私でもなれる
【はなのうた】 藤が咲いている山は、手入れが行き届かず荒廃している山なのだという。 勢いよく上へ上へと延びる蔓は、絡みついた木を枯らすこともあるらしい。 きれいな花が咲くよう高みへ導き、見届けた後も、 老木は何故、枯れてもなお立ち続けるのだろうか。 人の遠のいた寂しい山がまた賑わうよう、 託す老木の使命は 藤を支え見守ることのみ。