そうだ、台湾にいこう①
私は以前から台湾に行ってみたいと考えてはいたものの、ぼんやりと頭の片隅にあるだけだった。
ある日、6月でとあることが一区切りになると気がついた私は、思い立ったら吉日とばかりに飛行機とホテルの予約を取り6月末の台湾行きを決めた。初1人海外旅行だった。
仕事もバタバタと片付けて、あっという間に当日になり、気がつくと羽田空港に居た。早朝に日本を発つ飛行機だったので、深夜から羽田に向かい空港で朝を迎えるようなスケジュールを立てていた。
ワクワクというよりも、ソワソワが勝っていた。正直に言うと、どちらかと言うと不安感が大きかった。
搭乗手続きを済ませ、荷物検査、出国審査などを終えて、人が居ない静かで長いターミナルを歩いていると、まだみんなが寝ているような時間にこんな場所にいる自分が、なんだか不思議に感じた。
飛行機に乗り込み、
あっという間に台湾に到着。
気がつくと出国ゲートをくぐっていた。
台北まで電車に揺られ、
地上に初めて出た時「ここは日本じゃないんだ」と改めて強く感じた。
暑い日差し、飛び交うクラクションと知らない言語、そして香辛料のような空気。
すべてが日本とは違っていた。
街を歩いて、電車に揺られて、お茶を飲んで、ご飯を食べて、写真を撮って…そんな風にしながら、台湾滞在中を過ごした。
せっかくなので、
印象に残った場所をまとめてみようと思う。
言わずともがな『九份』
台湾に着いた1日目、私は電車に乗って九份に行った。台北駅から瑞芳駅まで40分、そこからタクシーで10分くらい山道を行くと、小さな九份への入り口があった。
狭い路地のような道を歩くと、お店の人たちに声をかけられながら、印象的な赤い提灯を見上げながら歩いてみた。
奥まで歩くと九份茶房というお店に着いた。
落ち着いた空気と、いいお茶の香りに誘われて、中に入る。
お茶を飲んでからさらに奥に進むと、
開けたところまでたどり着き、商店街とはまた違う、落ち着いた空気がそこにはあった。
人の願いが集まる龍山寺
私はその日の夜に、台北から2駅ほど行った先にある龍山寺に行くことにした。
龍山寺の駅には広場があり、夜にもかかわらず多くの人が、外で将棋をしたり、夜市で買ったごはんを座り込んで食べていたりした。
しばらく歩くと、龍山寺の大きく煌びやかな門が見えてくる。中に入ると地元の人たちが礼拝をしている姿がたくさん目に入ってきた。
こんな都市にあるにも関わらず、龍山寺には静かな空気があった。
龍山寺を後にし、その隣にある夜市にも足を運ぶ。買い食いをしながら夜の台湾を歩いた。
台湾の日常がそこにはあった。
その②に続く→