「プロのファン」という生き方のススメ。
もう半年以上前になるだろうか? こんなことをnoteエッセイに書いた。
いまというときは、主張がないといけない時代だ。(と僕は思っていた)だから、言いたいことがはっきりとある人がうらやましい。自信満々に堂々と意見を言っている人たちを見ると、密かに嫉妬心がわく。だから、主張がないことを恥ずかしく思って、隠し続けてきた。もしくはあるふうを装ってきた。バレないように、バレないように。
ある日の夜。大好きなキーマカレーを食べ終えて、温かい三年番茶をすすった。ノートになにかを描いている奥さんのほうを向いて、ぼくはおもむろに口を開いた。
「ぼくは何者にもなれていないんじゃないか…」
近ごろ、たくさんの同世代の人たちが、どんどん活躍していく。メディアやSNSを覗くたびに嫉妬心や無力感を感じる。するとなんだか、居ても立っても居られなくなる。気持ちばっかりが焦ってくるのだ。そんな事情や気持ちを奥さんに吐露させてもらった。じっくりと話を聴いてもらい、ポツリポツリと慰めのことばやアドバイスらしきものをくれた。そんな時間のなかで、
「あなたは、『プロのファン』になったら? もしかしたらもう、それに近いかもしれないわよ」
なんてことを言われた。しばらく黙りこくるしかなかった。一言もことばが出てこないのだ。残念なような、図星なような、嬉しいような、心細いような、全くもってことばにならないものを心のなかに感じていた。
そうしてしばらくの間、「プロのファン」ということばを心と頭のコルクボードにピン留めしておくことにした。
「じぶんには才能がないんじゃないか…」
ぼくと同じように感じ、焦り、落ち込み、不安を抱えている人は他にもいるんじゃないだろうか? そんな人に、いやいやじぶん自身に向けて、「ファン」という生き方もありだよ、そこから拓ける道もあるよ、ということについて書いて贈りたいと思った。
・じぶんには才能や能力がないと思っている
・強い主張や意見を持っていないと感じている
・何事も成し遂げられていないと焦っている
そんな気持ちを抱えながら働き、毎日を過ごしている人のヒントになるようにと祈りを込めながら、今週の有料エッセイコンテンツを書こうと思う。
【目次】
・「主張」の人と、「受け身」の人。
・ある人や作品が、あなたの骨格をつくる。
・一流の人から学ぶ、ともに仕事をする。
・編集後記的な部分
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