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永遠の都ローマ展
東京都美術館で開催中の「永遠の都 ローマ展」を観覧しました。
(不忍池辯天堂 巳成金大祭の後、美術鑑賞)
カピトリーノのヴィーナス
これを観るためにチケットを取ったといっても過言ではありません。
古代ギリシア最大の彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ヴィーナス像に典型的な恥じらいのポーズをとる。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツィ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。
1752年から今まで、カピトリーノ美術館から一度も出たことのないヴィーナス像。
門外不出の傑作。奇跡の初来日。この機会を逃すわけにはいきません。
![](https://assets.st-note.com/img/1695277986195-c7yTg4DSto.jpg?width=1200)
美術館内は一部を除いて撮影禁止。もちろんこの像も同様です。
婚礼前のヴィーナスと布がかかった水壺。
( ↑ よそ様のyoutubeです)
八角形の部屋の中央に据えられ、360度どの角度からでも眺めることができます。どこから観ても完璧な美しさ。
で、後ろから眺めて気づいたのですが、ふくらはぎの細工がすごい。
![](https://assets.st-note.com/img/1695278477105-bC0GaTF7qt.jpg?width=1200)
両方のふくらはぎの一番盛り上がったところが接触しているのですが、その部分はほんの数ミリ(に見える)。亀裂が入らないように完成させた製作者の技術も素晴らしいですが、この美術品を長きに渡り、傷ひとつつけずに大事に保管し続けてきた方々も素晴らしい!
彫塑の場合、指や鼻や毛先のように突き出たところ、この足のように薄くつながっているところは、脆く破損しやすいですから。本当に愛され、大事にされた傑作なのだな…としみじみ。
これを生で観ることができただけでも、大満足です。
今回の展覧会の際の運搬も、慎重に慎重を極めたのでしょう…いつも関係者の皆様には感謝の念しかありません。
複製が多いのが残念ですが
今回は、複製が多かったですね。「コンスタンティヌス帝の巨象の頭部」「カピトリーノの牝狼」「コンスタンティヌス帝の巨象の手部、球体」などはすべて複製です。
うん、もちろんすごく完成度は高いと思うのですが…やはり「複製かぁ」という、かすかながっかり感はあります。見分けがつかないくらいに同じ形をしていても――「カピトリーノのヴィーナス」と違い、その時代を渡ってきた歴史が作品にないのですから。日本人が古い仏像をありがたがるのと一緒です。人々の崇敬や寵愛、畏敬の念を一身に受けたものとは、やっぱり違うのです。
・・・まあ巨大な頭・手・足は簡単に動かせないし、牝狼像はあの街のシンボルだから。やってきたのが複製でも仕方ないですね。
ヴィーナス像だけでも、相当な無茶ぶりですもん。
もちろん(本物の)すばらしい彫塑や絵画もたくさんあります。
「ディオニュソスの頭部」や「老女像」が印象に残りました。
唯一の撮影コーナー
![](https://assets.st-note.com/img/1695279619731-6kKNOVbSpS.jpg?width=1200)
<モエシアの艦隊>(左)、<デケバルスの自殺>
※両方ともトラヤヌス帝記念柱からの石膏複製
・・・本物はともかく、他の複製も撮影できたらいいのにな。
撮影可能と不可の区分を、美術館側はどう決めているんだろう?といつも悩みます。
最後に
いつもの美術展に比べて複製が多いとはいえ、すばらしい美術品はたくさんあります。複製については本物を想像しつつ、楽しんできました。
![](https://assets.st-note.com/img/1695280106823-fm1PYZYCz3.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1695280151371-UxDm0X8frP.jpg)
普段、お土産を買うことはあまりないのですが、誕生日キーホルダーに視線が留まりました。誕生日ごとに、使用される題材(彫塑、絵画)が異なっています。
自分の誕生日に、ヴィーナスが使われていたら購入しよう…と思って覗いたら、ドンピシャ。財布のひもが緩みました。
キーホルダーは今、飽和状態なんだけど。さてどう使おうか。