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大林宣彦さんを偲ぶ

またひとり召されました。
大林宣彦 監督
悲しいものです。

闘病中でも映画をつくり、
意思を伝えようとされていた

80年代、商業映画主流の時代に
個性的で好みの分かれる作風でありながら
世の中に多大なる影響を与えたことは
邦画史上に残る功績だと思うんです。

私は高校生の時に演劇部に所属し、
まだ一般的ではなかったビデオ映画を
顧問先生の下で制作していました。

作っていたものが学園モノだったこともあり
大林作品は繰り返し観ていました。ずっと。

私たち世代で始めたビデオ映画撮影は
活発になり、やがて演劇映画部となりました。
発表する作品コンテストでは
大林さんにご評価頂くことも何度かありました。
OBとしてとてもうれしく思っていました。

大林作品を観て感じること。
現在なら当たり前のようなことだって
時代背景によっては「とんでもないこと」。
その時代に誰が何にどう感じていたのだろうか
その人はどうした どうしたかったのか
大林作品の本質はとても人間臭いなんだなぁと。

個性の強い作品は一般ウケしません。
でも観たら「大林作品」だとわかる映画を
撮り続けてこられたのは人間臭さにあるのだと。
時代、世代、文明、政治、いろんなことが
変わっていっても人そのものは変わらない。
人生というドラマの主役は常に自分です。

花筐/HANAGATAMI
海辺の映画館 - キネマの玉手箱

これを最後に
大林宣彦さんの作る映画に
もう新作はありませんが
人の心の中に生きる大林作品が続きます。

大林宣彦さんはもうひとりではありません。

合掌。



写真は私の高校生当時の作品を
ノベライズ化して再録本になったものです。


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