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【小説】自然と農

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森の中に暮らす家庭菜園初心者の主人公が、雄大な自然と、時々愉快な仲間たちと送る、ちょっぴりお洒落で心温まる日々の記録。
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#家庭菜園

良い兆し

良い兆し

太陽が山の奥へ沈み始めると、
急に風が強まって、
幾分暑さが和らぐ。

風の吹き荒ぶバックガーデンで、
懸命に足を踏みしめて、
荒れ放題のスイカ畑とサツマイモ畑を手入れする。

ここ数日の降雨で草勢凄まじく、
鎌を振る僕の右腕を砕いた。

しかし、
スイカ畑に時折顔を覗かせる小さなスイカの実が、
僕の心を勇気づけた。

風はいよいよ強く丘を吹き下ろすが、
しかし、
涼しいのは何よりである。

平生

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明日への模索

明日への模索

良い仕事は幾らでもある、重要なのは誰と働くかだ。

働きやすい環境は良好な人間関係の上に成り立つ。

良い人々に囲まれると、仕事の負担も幾らか軽減される。

仕事と言うものは何時でも厄介なものだ。

余り暑いので、時間を区切って小出しに外仕事をする事にした。

僕の畑は少しずつ秋めいている。

夏野菜の勢いは衰え始め、
そろそろ、
秋以降に採れる野菜苗の植え付け時期に差し掛かっている。

ブロッコ

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自然の境地【入口】

自然の境地【入口】

今日は畑仕事をすべきだった。

明日から暫く雨模様の予報。

きゅうりと葉物の跡地は草刈りが追い付いていない。

綺麗に整地して秋採りきゅうりとブロッコリーを植える予定だった。

しかし、それに体が付いていかない日もある。

午前中までは良かった。

しっかり朝食を食べ、町の図書館へぶらりと立ち寄る。

面白いものは無いかと物色していると、久方ぶりに友人を見た。

フラワーアーティストをしている彼

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山小屋の岐路

山小屋の岐路

闇に沈み始める畑。

夜の帳の下りる頃。

秋の虫が鳴き、暑さは緩む。

悪くなる視界に、葉なのかピーマンなのか。

判別の付かなくなると、今日の畑仕事は終わりを迎える。

今年のピーマンは何故か実が小さい、その葉と見誤ってしまうほど。

そう言う種類なのか、気候の影響なのか。

そう言えば、トマトの実も幾分小さい。

ミニトマトに至っては殆どならない上に、
結実してもサクランボの種程度の大きさ。

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人生の使い方

人生の使い方

二度寝後の六時三分。

勢い良くがばりと起き上がる。

「やばい、水遣り!」

しかし、窓の外はしっとりと濡れた曇天。

ウッドデッキに放置されたサンダルは水溜まりになっている。

雨が降ったのは早朝のようだ。

ほっとするのも束の間、
中途になっている草刈りを思い出しバックガーデンへ。

地面より湧き上がる濃い草花の香り。

むっとするような湿度。

鎌片手にサトイモの傍らへやって来ると、
今に

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ある日の畑仕事

ある日の畑仕事

蛾の幼虫を一通り退治して元気を取り戻したオクラに、大きな房が付く。

場所によって成長の仕方がまちまちだから面白い。

苗を作る時期にもよる。

自然農では多少遅い方が良いようだが。

しかし、遅ければ良いと言う訳でもないので難しい。

ピーマンは熟して色が着いてしまう、まるでパプリカのようだ。

一方のパプリカは緑色のまま変化が無い。

大きくならず熟しもせず、時が止まってしまったようだ。

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山小屋の休日

山小屋の休日

僕は割と『予感』を大切にしている。

鈍感で未来予測の苦手な僕が生み出した生きる術だ。

『予感』は『予測』よりも時間がかかる、物事の顛末の。

どちらも何か起こる前の予防策となるが、
『予測』ではより現実的な思考が瞬発的に必要となる気がする。

つまり僕の苦手分野。

一方の『予感』では幾度と無くその兆候が現れて来て徐々に気が付く。

それを兆候と捉えられるかどうか、それだけの話である。

より

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