リクルートのリボン図が通用しなくなる理由
現在起きている潮流から非連続な未来を予測していくことは、いつの時代も重要なわけですが、ことさら今起きつつある新しいトレンドは、これからのビジネスのルールや有り様を大きく変えていくような気がしています。
これまでのパラダイムとこれからのパラダイムの間を、どう乗り越えていくのか?
私自身の見立てをまとめ、これからのビジネスの未来戦略の材料となるようなノートを幾つか実験的に書いていこうと考えています。
今回の内容
・そもそもリボン図とは
・私が考えるリボン図の凄さ
・顧客体験(UX)がリボン図の書き換えを迫る
・リクルートは2度負ける
・新しいリボン図とこれからのマッチングビジネスのあり方
対象読者
今回の内容は、下記のような読者で、かつまあスドケンの話だったら聞いてみてもいいかなと思っていただける方々を対象としております。
・大企業ならびにスタートアップでリクルート型のマッチングビジネスに携わる方々
・新規事業を考える方々
・投資家
ランチをご馳走して、面白い話を聞いたなと思っていただけるくらいの内容を想像いただければ幸いです。
それでは、早速はじめていきたいと思います。
そもそもリボン図とは
リクルートの展開するマッチングビジネスの事業戦略には、脈々とこのリボン図と言われるクライアントとカスタマーをつなぐリボンのような形の図が、手を変え品を変えながらも、事業を形づくる構造として活用されています。
最近では外部にニュースとして出ているので、ご存知の方も多いかと思います。
参考
リクルートの企業文化とビジネスモデル(リクルートホールディングス コーポレートサイト)
IESEビジネススクールがケースメソッドとして取り上げています。
私自身、リクルートに在籍していた10年間どっぷりとこの構造に浸かってきましたし、ある意味当たり前だったわけですが、外に出てみてようやく理解できたことは、このモデルの凄さと罠の両方についてでした。
実際に、リクルートでは暗黙に、この図を組織運営と密結合し、徹底的なオペレーションエクセレンスを追求していました。そして、それは驚くほどの成果を上げ、その成果と引き換えに大きな罠にハマった事例を見てきました。
私が考えるリボン図の凄さ
さて、こちらも公開されている情報ですが、リボン図はこのように分解されています。
マッチングビジネスにおいて、集める力(収集力)、動かす力(喚起力)、結ぶ力(決定力)の3点が重要であると喝破しております。
そして、ユニークなのは儲けるという4つ目のステップが別個に用意されていて、ここにリクルートの収益性を高めていくためのオペレーションエクセレンスの肝が隠されています。
つまり、マッチングの総量を最大化することと儲けていくことは、別であるということになります。
実は、リクルートを卒業して外に出てよくわかったことは、外部の多くの方々がこのことの本質を誤解していることでした。
マッチングビジネスは、マッチングの効率を高めていき総量を増やせば儲かると誤解している方々が多くいらっしゃいます。
違います。
このリボン図モデルについて私個人が特に凄いと思ったのは、下記3点に集約されていきます。
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