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マネージャーのやりがいについて考えてみた
『Qiita FM』で こにふぁーさん(@konifar)がゲストで出ている「#43役職が変わると何が変わる?」の回を聞いた。この中でこにふぁーさんがVPoEとして良かった点として、他の人のキャリアに関われた時や誰かが嬉しいと仰っていてたしかになーと思ったので考えてみた。
エンジニアリングマネージャーとしてピープルマネジメントをしていると、
日々メンバーとの1on1をしたり、チームの課題を整理したり、働きやすい環境を作るために動いたりする。
でも、それは「誰かに好かれるため」 にやっているわけではない。
あくまで「チームの成果を最大化するため」 に、
自分に与えられたロールをこなしているだけ。
なのだけど、「誰かのキャリアや仕事やメンタルに良い影響を与えられた」と感じる瞬間は、やっぱり嬉しい という話。
そんなことを考えたので、まとめてみる。
1. マネージャーは「良い人」になる仕事ではない
ピープルマネジメントをしていると、「人に好かれることが大事なのでは?」と思われがちだけど、
実際には「良い人であること」と「良いマネージャーであること」は違う と思っている。
例えば、
メンバーのやりたいことだけを尊重しすぎると、チームとしての成果が出ない
厳しいことを伝えずにいると、結局本人の成長を妨げる
だから、「誰からも好かれるマネージャー」になるのではなく、
「チームとして成果を出すために、必要なコミュニケーションをする」 のが仕事。
その結果、メンバーから「厳しいけど、ちゃんと見てくれている」と思われるならそれでいいし、
「優しいけど、的確なフィードバックをくれる」と思われるならそれでもいい。
大事なのは、「相手にどう思われるか?」ではなく、
「チームの成果に貢献できているか?」 という視点。
2. とはいえ、誰かの人生に良い影響を与えられたら、それはやっぱり嬉しい
そんなふうに割り切って動いていても、
1on1などでメンバーと話していると、ふとした瞬間に 「あ、この人のキャリアや仕事の悩みに少し良い影響を与えられたかも?」 と思うことがある。
例えば、
「あのアドバイスのおかげで、ちょっと前向きになれました」
「最近仕事が楽しくなってきました」
「考えが整理できて、次にやることが見えました」
こういう言葉をもらったとき、
「自分はただロールをこなしているだけ」と思っていても、
やっぱり「誰かの役に立てたんだな」 という嬉しさがある。
「マネージャーは成果のために動く」 という前提は変わらないけど、
それでも、人の成長や変化に関われる仕事の面白さを感じる瞬間がある。
3. 「マネージャーの仕事の成果」は、人の中に蓄積される
エンジニアだったころは、成果がコードやプロダクトという形で目に見えたけど、
マネージャーの仕事の成果は、「人の中」に蓄積される ことが多い。
フィードバックを受けたことで、メンバーが次のステップに進めるようになる
適切なアドバイスを受けて、悩んでいたことが少しクリアになる
働きやすい環境が整ったことで、パフォーマンスが向上する
こういう変化は、すぐには見えないし、
もしかしたら本人すら「これってマネージャーのおかげかも」と意識しないかもしれない。
でも、長い時間をかけて、確実にメンバーの成長やチームの成果につながっていく。
そして、ふとしたときに、「あのとき支えてもらったおかげで、今こうなりました」と言われることがある。
そのとき、「ああ、ちゃんと意味のあることをやれていたんだな」 と思う。
4. 結局、誰かが喜んでくれたら、それだけで報われる
「マネージャーの仕事は成果を出すこと」と割り切っていても、
結局のところ、「誰かが喜んでくれたら、それだけで報われる」という気持ちはある。
メンバーが成長して、楽しそうに仕事をしている
チームの雰囲気が良くなり、協力し合う関係が生まれる
1on1で話したことが、相手にとって良いきっかけになっている
こういう瞬間があるから、
「マネージャーは大変だけど、悪くない仕事だな」と思えるのかもしれない。
「マネージャーのやりがいについて考えてみた」 という話をまとめてみた。
もしマネージャーとしてのやりがいに悩んでいる人がいたら、
「最近、自分の仕事で誰かが喜んでくれたことはあったかな?」と振り返ってみると、
少し気持ちが楽になるかもしれない。