息子にBL漫画原稿を見られた
10年近く同人漫画を描いています。腐女子歴は20年以上。
ずっと液タブの用途を小学生の息子に隠していたのですが、ついに同人原稿を見られたという話をたくさんの人に聞いてほしくて思わずnote登録しました。(友だちには今後会うたびに話すと思う)
ことが起こったのは平日の夕方でした。息子が習い事に行っている隙間時間も私は同人原稿を開いていました。(息子の具体的な年齢は伏せます)事件の様子を想像してもらうために作業環境を説明すると
・マンションの一室完全に私の作業部屋。基本的に私以外入ることはない。(作業デスクにPCや液タブ、筆記用具以外にBLじゃない漫画とかいろんな本が詰まれている)
・液タブ22インチ(めちゃくちゃ大きい)
この機械(液タブ)のことを息子は「よくわからないけどパソコンの機械」ぐらいに思っていて、まさか息子自身もよく知っている漫画のキャラクターが少女漫画タッチの絵でイチャイチャさせられる用の機械だとは思ってません。息子は同人の概念も知らない(はず)だし、BLももちろん知らない(はず)。ただ家族みんなで読んでいる少年漫画の男性キャラクターのことを母はなぜか二人セットで好きということはわかってると思う。
話を事件現場に戻します。
習い事を終えた息子が帰ってきたので、私は作業を止めてリビングに向かいました。息子も自分の部屋で荷物を片付けているようです。
私がその日の郵便物をチェックしていると、息子がこう言いました。
「アマングアスしていい?」
息子はタブレットでアマングアスをすることにハマっていたので、最近は隙があればこう言います。その日の宿題は終わっていたし、私は何も考えず許可しました。このとき気付かなかったのですが、タブレットは私の作業部屋にあったようです。家族共用なので、いつもはリビングにあることが多いのですが……
タブレットを手にして戻ってきた息子が半笑いでした。
「ママの部屋の大きいパソコンがさ」
え?
「電源ついてたから」
…………え?どうやらパワーオフにするのを忘れていたようです
「見たら、」
見たの??????????
「俺と付き合ってください」
「って書いてあった!w」
あーそういえばちょうど告白のページ下書きしてたわ(実際の原稿の台詞とは異なります/身バレ防止のため)
心が凪ぐというのは心臓が止まっているからなんだな、と思った
だってそのページには完全に受けの子の名前が書いてある
どうしよう、息子と仲良しのままでいたい、嫌われたくない、母の変な趣味を学校で話されたくない、言い訳をするべきなのか、笑って「見ないでよ~」とでも言うべきなのか、刹那の時間でめちゃくちゃ考えた
息子はこう続けた。
「お母さんってハンコ作ってるの……?」
………………はんこ?
判子?
「なんか文字が逆さになってたから」
えっ
想像力すごい
さすがオタクの息子
わたし画面反転してたのか
「文字が逆さになるのって判子だよね?」
私「ハンコwwwそうハンコね~……」
息子「あれってお母さんが作ったんだよね?」
私「ん~……あ、もうすぐ出るからアマングアスするならそれまでだよ」
この日、もう一件外に出る用事があったので私はそう言った。
タブレットを手に急いでアマングアスを起動する息子、一生アマングアスしてていい
…………?あれ?受けの名前、スルーされた……?
急いで作業部屋に戻って画面を確認した。
受けの名前、ギリギリ見切れてた。
けど堂々と書かれた「俺と付き合ってください」の台詞と、まだ粗い下書きだけど二つの頭はあまりにも漫画だとわかる(男二人というのはわからないと思う)
いや、どっちだろう?漫画って単語は彼から出てこなかったから、
①漫画だと推測できてなくて、純粋に判子だと思った
②漫画だと推測できて、かつ判子とでも言っておけば母がごまかせるから配慮してくれた
自分の想像だけど②の息子出来すぎじゃ……? とりあえず、私が何か隠そうとしてるのは感じたかもしれない。その後何も聞かれることはなかった。息子好き
息子が成長して腐女子の存在を知ったとき、「お母さんは腐女子だったのか……」と隠されていたものの正体を知る日がくるかもしれない。そのときまで、健やかな親子関係を築きたいな。もしくは
息子のためにお母さんは本当に判子屋になろうかな
おわり
(「俺と付き合ってください」の台詞がある世のBL同人誌さん巻き込んですいません)