失敗したときにすべき行動
早いもので、4月ももうわずか。
新元号『令和』となって3年目も1/3が終わろうとしています。
子供のころはまさか自分が元号3つも跨いで生きることになるとは思ってもみませんでした。
生活スタイルやビジネススタイルは速やかに令和に移行しましたが、個人的な気分はまだまだ昭和です(いや別に昭和臭いオッサンめいたことはしませんよ?)。
また6~7月にはどこの企業でも多かれ少なかれ新卒メンバーが入ってくることでしょう。とにかく周りの環境が変わっていく人もたくさん出てくる時期です。
新しいメンバーを迎え入れるときの心構えや、逆に自分が新たな環境で働き始めるときに気をつけたいことがあるはずなのですが、どこに行っても我を崩さずに摩擦を起こす人も少なくありません。
自組織に新しいメンバーを迎え入れるとき、もっとも大事な考え方は
「相手と自分は対等である」
と自らに言い聞かせることです。
言い換えれば、他人への"敬意を持つ"ということです。
これができない人は、他人から"敬意"を払われることもありません。
それは、相手が新人であっても変わりません。
私が比較的、職位も年齢も立場もあまり考えず、日頃から低姿勢気味であることが多いのは、まず姿勢から始め、意識が尊大にならないために徹底しているからに他なりません。
それは相手が新入社員だったり、経験が浅い若手だったりしてもです。
もちろん経験年数や知識の量では圧倒的に自分の方が上だと自覚するのも大事ですが、それを姿勢として必要以上に前面に押し出してしまうと相手はあなたとの精神的な距離/溝を広げてしまいます。
別にやたらとへりくだって話しましょうとかそういう極端な話をしているわけではありません。「若い」とか「経験が浅い」とかいう以前に、
相手は「社会人である」
&「同僚である」
&「仲間である」と思うことから始めましょう
という、たったそれだけの話です。
もちろん相手は経験不足から失敗したり、わからなくて仕事のスピードが上がらなかったりすることもあるでしょう。でもそれは経験とともに改善をされるものであり、それを周囲がサポートするのが組織運営をする上で最も大事なことです。
そもそもサポートすればした分だけ最速で成長する可能性が高まるわけですから、サポートに消極的であるのは、確信犯的に組織のパフォーマンスを長い間低下させ続ける気があると言っているのと変わりません。
さらにストレートにいえば「マウンティングはやめましょう」ということです。自分の方が偉いからと、偉ぶっている人は必ず軋轢を生みます(ちなみに、「マウンティング」は和製英語で、ネイティブスピーカーにはちょっと妙なニュアンスで伝わるようです)。
もし「経験値や年齢が上だから相手を下に見てもいい」と自分に免罪符を与えてしまうと、まず最初に人間としての品位を落とします。組織としての品格も低下することになります。
年齢が追い越されることはありませんが、仕事の能力で大きく差をつけられてしまう可能性が大いにあります。そうなった時に、ずっと下に見られていた人は今後快く協力してくれるでしょうか?
そもそも、お金を稼いできてくれる(売上貢献する)のは現場担当者であって、多くの管理職は自らお金を稼いでくることはありません。言い換えれば"養ってもらっている"立場ともいえます。
敬意も持たず、偉そうにばかりしてればいいという道理はないのです。
むしろ自分より仕事のできる部下や後輩を育てるのは、組織の成長の観点からすれば素晴らしいことです。いかにして自分が良いサポーターになれるかはもともと組織にいる人に持ってほしいマインドセットです。
もう1つ、組織の活性化のために大事なのが「新しく入ってきた人が抱いた違和感を大事にする」ことです。長く同じ組織に属していると、その組織の中での様々なルールやしきたりが実は今の時代にはそぐわなかったり、極端に属人化していたりすることに気づかなくなりがちです。
そうなってくると、組織が淀みます。
そういう時には、外からの新しい視点がとても大事になります。
何年か前から注目されてきたトピックの1つが「働き方改革」ですが、これに限らず改革…つまりイノベーションは意外な視点から生まれることがあります。若手の声を貴重な意見として受け止めると、得るものが多いでしょう。
とはいえ、新入社員たちが「これっておかしくないですか?」と率直に伝えてくると、ついつい「これはこういうものだから」と言ってしまいたくなることもあるかもしれません。
「若いうちは黙ってとりあえずルールに従うのも大事」という考え方も、すべてNGではないと思います。そういう時は指摘されたルールやしきたりが「なぜそう決まったのか」説明できるか否かを考えてみましょう。
経緯や根拠を明らかにして相手の「納得」を得るのは、如何なる状況においても先達の責任です。
人は「納得」なしでモチベーションを維持できませんし、「納得」もさせずに言いなりにさせようというのであれば、それはもう"上司"ではなく"支配者"の振る舞いです。
まともな組織人のやっていいことではありません。
「なぜ」という根拠が説明できるのであれば、そのまま指摘してくれた人に伝えて、必要であれば議論を交わせばよいでしょう。
「なぜ」と言う根拠が説明できないのであれば、どこかにエラーがある証拠になります。突き詰める価値がありそうですよね。せっかく得られた新しい視点はぜひとも活かせるようにしたいものです。
次は、自分が新しい環境で働くことになった場合を考えてみましょう。
「馴染めるかな」「失敗しないかな」と不安になっている人もいるかもしれません。初めてのこと、初めての人が多い環境であればあるほど過去の知見は活かせない可能性が高くなります。
何もかもがうまくいくよりも、いろんなトラブルに直面する方が実際は多いでしょう。これについては腹をくくるしかありませんよね。
失敗したときには、
「素直に気持ちよく謝る」
「現実的な解決方法をすぐに見つけようとする」
という2つの行動を心に決めておくのがよいでしょう。
失敗は怖いですし、恥ずかしいと感じる人の方が多いと思います。
私もそうです。
でも、人間は新しいことをやれば失敗するものです。
最初から何でもうまくいくわけではありません。
にもかかわらず、もしみなさんの失敗をやたらと指摘する人が現れたらどうすればよいでしょうか。もっとも意味がないのは「感情的に対立すること」です。
腹も立つでしょうし、言い返したくなる場面もあると思います。
でも、感情的に対立して、いいことが起きる可能性はほとんどありません。
かと言って、一方的に不利益を被ってばかりでは精神衛生上よくありませんしなにより「腹が立ちます」。
もしも、そういう人が合わられるようなことがあれば、純粋に距離をあけられるようにしましょう。
安易に「転職すればよい」と言っているわけではありません。上司に相談し、転属願いを出してもっとパフォーマンスの出やすい環境に移ることだって1つの方法です。あるいは、とあるプロジェクトだけの一過性の付き合いであるなら、極力関わらないようにしてやり過ごすことだってできるでしょう。
そのような中、最悪な人の行動は「相手に恥をかかせる」ことです。
「目には目を、歯には歯を」では憎しみの連鎖が強くなるだけで収拾がつかなくなってしまいます。いくらなんでも、まともな"大人"のすることではありません。
それに、そんなことをしてしまうと双方の間で感情的なしこりが長く長く続きますので、人間関係の再構築をすることが極めて難しくなってしまいます。人間関係がすでにある程度できているところに、攻撃的な異分子が入ってきたら当然「排斥しよう」「無力化しよう」という力が働くからです。
そうなると、キャリアを積むにあたって百害あって一利なしです。
もしも失敗してしまったり、迷惑をかけてしまったりした時は「次にどうすればいいのか」を一緒に考える機会を作ってもらえるように持ち掛けてみてはいかがでしょうか?
「次に失敗しないようにしたいので、
改善策を作るのを手伝ってください」
と言ってみましょう。
もし「そんなことは自分で考えなさい」と言われたら、考えるところまでは自分で行っていくつかプランを作ってレビューしてもらいましょう。
自分の考えたプランが正しいか/正しくないか。
クローズドクエスチョンを用いて意見を聞くだけれあれば、相手が答えてくれる可能性もずっと高まります。
さらに社会人にとって大事なのは、できるだけ早く成長することです。
これは新人でもベテランでも同じです。
市場が変化し続ける以上、停滞は『死』を意味します。
「早く」とは「ほかの人と比べて」ではありません。自分の中でベストを尽くし続けながら、できるだけ早い成長を目指してみましょう。
「自分のペースで成長すればいい」という考え方も尊重できます。
ただ、周囲があなたのペースに合わせてくれるとは限りません。周囲はあくまでも周囲のペースがあるのであって、もしも自分のペースが相対的に遅いのであれば、何かの問題に直面した時「あの時にきちんとやっておけばよかった」と後悔することになりかねません。
まずは新しい環境になじむため、そこで活躍できるために自分を鍛える時期を作るのがいいのではないかと思います。
これは、趣味の時間を削るとか、家族と過ごす時間を犠牲にするとか、そういう話ではありません。自分なりに時間をマネジメントして、自分が昨日よりもうまくいっていると感じられるタスクを設定してみることをオススメします。
たとえば、
・チームメンバーからのメールやチャットへの返信を
5分以内に必ずすると決めてみたり
・教えられた業務については必ず気づきをメモして、
スマホ1画面分のメールでチームに共有したり
など、些細なことでOKです。
「毎日学んでいる」「成長している」と感じられるようにすることが、将来の自分を大いに助けてくれます。いろんなことを試してみながら、
そう言った日頃の Try & Error を積み重ねない限り、放置しておいて勝手に成長することはありません。成長を実感することもありません。
「何をするか」
「どれだけするか」
「その経験をどう活かすのか」
一つひとつ考えていきましょう。
また、新しい環境で存在感を示すためにはアウトプットが不可欠です。そういう意味でも、前述のメールの返信や気づきをチームに共有するのは効果的です。
たとえば、私は「報告・連絡・相談」の「報告・連絡」はできる限り圧縮します。ただ、新しい環境や作業に馴染むまでの間は可能な限り「相談」の段階をとっています。
計画を立てる
計画を仮説検証するための仕組みを構築する
計画通りに進められるかスモールスタートを行う
検証する
検証結果を活かし、再計画を行う
ここまでのすべてのアウトプットは、自信を持って進めていける計画を構築するための「相談」フェーズです。
自信を得られる状況まで進むことができたら臆することなく、計画的に実行に移り、適宜アウトプットを「報告」として展開します。
そして最後に、すべてが完了したらその成果や結果を「連絡」と言う形で多くの人に拡散します。
こうした大きな仕事を「報告・連絡・相談」に置き換えて慎重に取り組むと、自分の進んでいる段階と成熟度、現実とのギャップなどがよく解ります。
報、連、相、様々な段階で自分に見えている世界を、アウトプットと言う形で他人と共有することで、様々なフィードバックをもらうこともできるようになるわけです。
最初は緊張して、なかなかアウトプットができないかもしれません。
ちょっとずつで構いません。少しずつアウトプットを繰り返して、自分の中の『正解』を探していきましょう。
働く環境は「人」によって大きく変わります。
大きな変化が訪れるこの時期、ぜひ自分をアップデートする姿勢と機会を作ってみてください。
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