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判断の速さとアウトプットの速さ

一流の人は「ムダに考えている時間」がほとんどない。

とよく言われます。

なぜなら、常に先手を意識するからです。
後手に立ちまわりたくないと考えているからです。

問題や課題ができてから考えだしているようでは遅いのです。逼迫した状態になってから打てる手段は限られています。しかも、そこから考え始めたとしても、選択肢は限られており、

 「確度が低かったり」
 「トレードオフすべき事案があったり」

そのどれもが何かに影響を及ぼすようなものばかりで中途半端です。だから悩みもします。すべきことは分かっていても、無駄に悩むからさらに時間は無くなっていきます。

デキる人はそうなることが最も面倒で最も嫌なことを頭で理解していますから、常にそうならなくても良いよう先手を打って考えているため、立ち上げ/立て直しが速攻なのです。

こういうところを感情に頼って、目先の結果だけ求めようとする人はどうしても対応できないことでしょう。

私が社会人になったばかりの頃は、職場の上司や先輩の仕事の速さを見て、ただただ驚くばかりでした。会議ではムダな脱線をほとんどすることなく時間内に話をまとめ、自分のデスクに戻るとエクセルやパワーポイントの資料をミスなく高速で完成させていきます。中には、会議中にある程度作り上げてしまう人もいました。

しかも多くの場合、同時に他のプロジェクトや部下/後輩の管理を抱えているわけですから、なぜそれらをこなしていけるのか不思議に思ったものです。

さらに、日単位、週単位の直近の仕事と、月単位、年単位まで見越した先々の仕事を同時に回していることにも気づきます。

締切が近い仕事も手早く片づけながら、締切がまだ先の仕事に対する「仕込み」も計画的にこなしているのです。だから、いざその仕事の締切が近づいてきたとしても慌てることがありません。慌てる必要が全くないのです。

今となっては私もそういう先輩や上司たちを見習って、幾分できるようになった自負はありますが、追いつけたかどうかはわかりません。


また、デキる人の仕事ぶりを見ていて、もうひとつ気づいたことがあります。それは、ただ「仕事が速い」だけでなく

 「イレギュラー(突発事態)からの立て直しが速い」

ことです。計画的に実施していても、計画外のことなんてザラに起こることです。中には「だから計画なんて立てたって無駄だ」という人もいるでしょう。でも、一流の人はそんなこと百も承知のうえで計画します。当然、計画の中にはイレギュラーの事態に対する施策も含まれています。

たとえば、顧客からのクレームが発生し、最優先で対応する必要が生じた場合、当然他の仕事は影響を受けます。トラブルに慣れていなければ、それだけでパニックになってしまうところですが、仕事がデキる人は慌てずに的確に対処します。

・遅れそうな仕事があれば、期限を変更できないか関係者と相談する。
・他の人に任せられる作業があれば、その人と分担を交渉する。

そのような調整を冷静に進め、影響を最小限に抑えていくのです。

一方でそう言ったことに目を向けられない人はと言うと、先々の仕事を見通すどころか、常に目の前の仕事でいっぱいいっぱい。毎日ギリギリで仕事をしているから当然イレギュラーにも対応できません。

 仕事がデキる人との決定的な差は何だったのか

それこそが「思考の整理ができていること」だったのだと気づいたのは三十路を過ぎた頃だったと思います。

ぐちゃぐちゃな頭で仕事をしていたり、面倒だからと先延ばしにして後で詰め込む結果になってしまうと、仕事を俯瞰して見たり、柔軟に対応することができなくなってしまうのです。

私には師がおらず、ロクに教えてくれる人はいませんでした。学ぶ環境はいつも「大炎上プロジェクト」を身を持って体験することだったかもしれません。40代半ばになって初めて外部の教育に参加できた頃には、もう既に経験の中から身につけ、自分自身で言語化するに至った後のことばかり。もっと早く知る機会があれば…と思わなくも無いですが、おかげで借り物の知識ではなく、自力でそこに辿り着けたのだと思うと、あながち悪いことばかりじゃなかったかな…?と思わなくもありません。


もし、興味がある人は、なにか1つの仕事を軸にして、年間計画表を立ててみましょう。これと言った軸が無いようであれば、自分を軸にしてとにかく

・毎月または毎年、ある季節や時期に実施する『定常作業』
・ある条件下でのみ発生する『時限作業』
・今だけまたは今年だけ固有で発生する『固有作業』

を整理して、1つの計画表に記載して見て下さい。
定常作業や半定常作業であれば、過去の結果から反省を活かして、今のうちに仕込んでおける対策もあるはずです。

いつ頃に、どんなことをしなくてはならないのか?
どの時期にどの仕事とどの仕事が重複しているのか?
今まで経験してきた予想外の出来事に対して次からはどう対処するのか?
突発的に仕事が舞い込んできたときのためにあらかじめ何ができるのか?

など、「事前」だからこそ考えておけることは山のようにあるはずです。

そういった未来を予測し、行動を決めておくことを人は『計画』と呼ぶのですが、これが自分の仕事として日頃からできないようだと、あるいはその状況になってから次のアクションを考えているようだと、プロジェクトマネジメントの計画は夢のまた夢かも知れません。

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Takashi Suda / かんた
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