単体テストと結合テスト(WEB)
「WEBシステム開発を行っているプロジェクト活動にて、問題が発生しました。」
と言われて何事かと思い、緊急に開かれた会議に呼び出されました。出席者は私を含め7名。プロジェクトマネージャー、プロジェクトメンバー1名、所属する課の課長、部長、本部長、そして担当役員。そこに品質保証部の私で7名です。
最初は聞き耳を立てて様子を見ているだけの会議でしたが、その内容は
・プロジェクトマネージャーへの糾弾
・プロジェクトマネージャーへの叱責
同席しているメンバーは無口でフォローするでもなく、ただ座っているだけ。部長も基本的には口を開かない。課長は週の半分を社外常駐作業かなにかプレイングマネージャー的なことをしているので細部までは管理できておらず、要所要所で口添えする程度。本部長は細かいところをつついて「アレがダメ、コレがダメ」と言うだけ。役員の方はとりあえず見守っているような状況でした。
正直、そんな生産性のまったくないくだらないイベントを催すために私の時間を無駄遣いするのは本当にやめてほしい…と思いつつも、何とかしてあげないことには解放されないと思いましたので仕方がないから横やりを入れました。
そもそもの問題は
根本的な原因は要件定義、設計…と進めてきた中で、『品質が高くない』『納期遅延を起こしている』という状態でユーザーから相当"信用"を失っている状況にある…ということです。
今回のプロジェクトはユーザーと私たちの間にもう1社噛んでいて、いわゆる多重下請け構造の様相になっています。
「なんのためにSIerっているの?」
と思われるかもしれませんが、まぁ色々と大人の事情があるんです。
ただ、私個人に言わせると、こうした「一次請け」「元請け」とも呼ばれるTier-1のSIerがいてありがたかったことは一度としてありませんでしたけどね(別に、こっちで勝手に成功させるし。契約の責任だとか、賠償にかかる資金面の問題とか、そんなの成功させてれば関係ないし)。むしろ、開発のことを理解していない人たちが中途半端に介入してくることで逆にプロジェクトが立ち行かなくなることも多く、邪魔でした。
それでも「ユーザーと直接話す、調整するのが面倒」「直接的な責任を負いたくない」って中堅~零細IT企業にとっては、こうした盾が存在してくれるのはありがたいかも知れません(まぁ、問題起こせば結局責任を問われますし、仕様や技術的な点については直接お客さまとお話することになるんですけどね)。
で、たった今は「実装」「単体テスト」工程にかかっているわけです。
SIerからは役員クラスの方が出てきて「本当に大丈夫なの?」「うちにとっても一大事業なんだから」「ちゃんとやってくれないと困るよ」と釘を刺されているようです。
そんな中、課長、部長、本部長それぞれが雁首揃えてプロジェクトマネージャーを糾弾するだけで、何一つ解決策を模索してあげるとか、指示/指導するとか、一緒に解決に勤しもうとかなんにもありません。
よくよく聞いてみると、現在、問題点は大きく2つ。
です。
まぁそれだけでも呆れてものが言えません。
彼らは「システム開発を長年行ってきたプロ」です。単体テストや結合テストにしても今回が初と言うわけではありません。もちろん叩き上げの課長、部長、本部長、役員ともなれば何十回と経験していると思います。
ですが、彼らには「何を」「どうすれば」いいのか、誰一人として答えが無いのです。
私はもう開始5分でイライラがMAXになりました。
というかよくもまぁ5分も耐えたものです。
仕方がないので、ホワイトボードにざっと描き、説明を始めました。
何故逼迫しているのにムダなことをするのか
仕事には多くのムダがあります。
時にはそう言うムダこそが成功に導く要素だったりすることがあります。ですが、基本的にムダなものは巡り巡ってやはりムダなのです。ムダなコストにしかなりません。
かと言って、そんなムダを許容して必要なモノが不足しても困ります。
そこできちんと考えなくてはならないのは「MECE(漏れなく、ダブリなく)か否か?」という観点です。
このMECEとなるかどうかによって仕事のパフォーマンスや質…ひいては費用対効果の源流が決まると言っても過言ではありません。ここまでは誰でもわかることです。
ですが、
これは「よほどテスト内容を見直し、突き詰めたとしても」という条件付きですが、たいていの場合はこうなります。こと『WEB』形式のシステムを構築する場合は、この問題にかかります。
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