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本来の『重要な仕事』を優先しよう

仕事において1番大事なのは、本来の自分の仕事を完了させることです。
そもそも、これ以上に優先させるべき仕事というものは存在しません。

組織において、メンバー一人ひとりに役割があり、役割を果たすための責任がある以上、その責任を放棄してまで優先していい仕事などというものはないのです。

そのため仮に緊急であったとしても、頼まれた仕事と重なったときはそのまま引き受けないで話し合う場を持ちましょう。

 できる人は、本来の「重要な仕事」を優先します。
 なかなか大成しない人は、頼まれた「緊急の仕事」を優先しがちです。

一般的にこのような図で表現されることが多いですよね。

ここで問われているのは第2領域と第3領域がブッキングした際にどちらを選ぶべきか?という話になります。もちろん第2領域となりますよね。仮に第1領域と第2領域を比較した場合であれば第1を選べばいいでしょうが、大事なのはまず最初にその切り分けをするところから必要になる…という話です。

もちろん、今まで話してきたようにさっさと終わらせられるものは優先度を上げてさっさと終わらせる…と言う選択肢もあります。

重要なことは、自分に与えられている役割と責任に則しているかどうかということです。組織運営を効率的に行うため、管理職には職務権限が与えられ、その権限行使には責任が伴います。

たとえば、取締役と一般社員とを比較した場合、職位の上位者になるほど
会社経営または事業運営に直接影響する重要な意思決定を行うことになり、
職位の下位者になるほど手順書やマニュアル等のルールに従った

 「正しい仕事の仕方」
 「誠実な仕事」

を行う能力が問われます。そのため、それぞれに求められる知識の広さや深さ、意思決定レベルの適正さ、リスク対応や危機管理など求められる行動が異なるのです。

たまに、役割にない仕事を依頼する人もいますが、役職者には「個人としての役割」と「所属した組織の構成員としての役割」があるため、おいそれと本来の役割に悪影響を与えるような依頼や仕事を与えることはコンプライアンスの違反に帰結する可能性もあるため、原則忌避されています。

また、最初から複数の仕事を抱えているときには、どういう順番で片づけていくか優先順位をつけなければなりません。

できる人と大成できない人ではこの「優先順位」のつけ方も違っています。

誰かに「緊急な仕事だから、早く仕上げてください」と仕事を依頼されたとします。しかし、あなたは本来やるべき「重要な仕事」に着手しようとしているところです。このとき、急に依頼された「緊急な仕事」と「重要な仕事」のどちらを優先しますか?

過去、研修などでこういう質問をすると多くの人が「緊急の仕事」と言います。緊急と言われると、誰でも「すぐにやらねばならない」という心理が働き、やらないと落ち着かなくなってしまうからでしょう。

しかし、「緊急の仕事」と言われた場合には注意が必要です。

「緊急の仕事」を優先することは必ずしも間違いではありませんが、依頼している人はできるだけ早く成果物がほしいので緊急でなくても緊急といってくるケースが多いのです。

事実をしっかりと確認しておかないと、自分にとって「重要な仕事」を後回しにすることになってしまいます。「重要な仕事」は、周囲の関係者を巻き込む必要があったり、上司の裁可が必要であったり、自分ひとりだけでは思うように進められないことが多いものです。当然時間もかかりますので、後回しにすればするほど自分が苦しくなっていきます。

場合によっては納期に問に合わなかったり、間に合わせるために仕事の品質を落とさざるをえなかったりということも起こりえます。

日頃からできている人はこういうことがわかっているので、依頼者の言う口だけの「緊急」を鵜呑みにはしません。

基本的には本来やるべき「重要な仕事」を優先することを考えます。


ただし、依頼者が「緊急」と思って持ってくる依頼が本当に緊急のこともありますから、最初から自分本位の態度を取るべきではありません。

話し合いの場をもってお互いに調整すれば、場合によっては依頼者が「明日まで」と言っていた納期を「来週まで」に変更する可能性もあります。

それでも調整が不可能なのであれば、依頼者が言うようにそれは本当に「緊急な仕事」であった可能性が高くなるわけです。

 

では、「本当に緊急な仕事」と「重要な仕事」ではどのように優先順位をつけるでしょうか。

その場合の判断基準は「時間(または期限)」です。

これまででも説明しましたように、ビジネスにおいては何よりも『時間』こそがミッションクリティカルな最重要課題です。ですから時間管理が非常に重要と言われているわけです。

この場合、「短時間で片づく仕事」なのか「時間のかかる仕事」なのかで考えます。この質問を行うと、日頃からできている人は「短時間で片づく仕事」を先に消化すると答える人が多く、なかなか大成できない人は「時間のかかる仕事」を優先的に片付けると答える人が多いといわれています。

仕事にかかる時間はトータルすれば同じですから、どちらを先にしても大して違いはないように感じます。

しいて言えば、時間がかかる仕事を先に済ませたほうが精神的にラクだと感じる人が多いということでしょうか。時間があって計画を立てる段階にあるなら「時間のかかる仕事」に優先的に時間を割り振っていくほうがいいでしょう。

しかし、緊急のときは「短時間で片づく仕事」を先にやったほうがいいのです。なぜなら仕事には必ず相手がいるからです。

ひとつの仕事が終わるまでは相手から督促がきたり、問い合わせがきたり、その中でついつい雑談をしたりと、実質的な仕事以外のことにも時間がかかってしまいます。

こういった非生産的なコミュニケーションにかかる時間は、それぞれの仕事に対して多かれ少なかれ必ず発生します。ですからすぐに片づく仕事を完了させ、受け持っている仕事の数自体を減らしたほうが仕事の効率は劇的に向上するのです。

 

このように、仕事を進める際の判断基準をあらかじめ自身の中に確立しておくことも仕事の効率化を大幅に向上してくれます。

なぜなら、仕事の効率が下がる大きな要因の1つに「悩む」「考える」などによって生産時間が減少することにあるからです。

 即断即決

できれば大幅に効率が変化してくることでしょう。そのためにもあらかじめ自分の中でアルゴリズムを考えておくのはとても重要です。


悩むことや考えることと、通常の仕事を並行で進められる社会人というのは決して多くありません。

私も、新人教育やそのフォローなどで幾人かを対象に毎年のようにこっそり両立できるよう訓練させてみたりしていますが、3~6ヶ月継続できればそこそこできるようになってはくるものの、大抵の場合は

 「多忙になってフォローできなくなった」
 「現場の上長に目障り扱いされた」

などによって年に1名育成できるかどうか…と言った結果しか出ていません。

判断スピードの向上には多くの判断基準、多くの価値意識を吸収しなくてはなりません。そしてそのためには目先の仕事に関係あるかないかに関わらず、多様な価値観を常に吸収できる環境が無くてはならないと思っています。 noteを活用する理由の1つでもあります。

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Takashi Suda / かんた
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