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仕事は無条件で引き受けない

1日を振り返ってみてください。

最終的に顧客に価値を提供し、売上や利益などの「キャッシュを稼ぐ」と言う目的の延長戦上に存在していて、本当に必要な業務はどのくらいあったでしょうか。

多くの人は、本来やらなくてもよかった仕事にも多くの時間を割いているはずです。必要がない仕事をしてしまう典型的パターンは、

・何をやめていいかわからない
・過去の職場のやり方にこだわってしまう
・指示されたことをそのまま引き受ける

などです。
これらを避けるにはまず、

 「これって本当に価値提供に結びついているの?」
 「このやり方ってなぜずっとこうなの?」

と問いかけ、ゼロベース思考で前提や習慣を疑うことが有効です。

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ゼロベース思考とは既存の枠組みにとらわれず、目的に対して白紙の段階から考えようとする考え方の姿勢のことを指します。既存の枠組みでは、過去の事例や様々な規制などが思考の幅を狭くし、目的への最適な方法への到達を難しくなってしまうため、仕事ではいついかなる場合においても「ゼロベース思考」で考えようとする姿勢が重要であるとされています。

これができない人は、仕事の本質が理解できていないまたは理解しようと思っていないため、自分で決断が下せず、「責任」を負う自信が持てず、どうしてもゼロベース思考になれません。

ただし、これまでの習慣を急に改めようとすると相手からは「何を勝手に」と見えることがあります。

「ただ反発しているだけ」と思われないよう、彼らの感情やメンツにも配慮しながら自分なりの主張や仮説を正しく伝えることが大事です。

 「どのくらいやればいいですか?」

といったオープンクエスチョンで聞くと、相手の要求はエスカレートし、本来必要のない仕事がどんどん膨張する可能性が増すからです。相手があまり話の通じないタイプの時には、

 「この範囲で進めますけどいいですよね?」

と、クローズドクエスチョンによって条件を明確にしてから仕事を引き受けると効果的です。

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また、ある程度交渉できる相手であれば、

 「この部分は、他の人に手伝ってもらっていいですか?」
 「この仕事はやるので、(必要性が低い)こちらの仕事を
  減らしてもらっていいですか?」

など、相手が飲みうる条件を引き出し、価値につながる仕事により多くの時間を使うことも検討するとよいでしょう。

大事なのは、なんでもかんでも「無条件」に引き受けないこと。

達成するために、成功するために、負荷を減らすために、効率的に進めるために相手にも「条件」を増やすんです。

「AをするためにはBが必要です。」
「Cを行いますのでDを減らしてください。」
「Eをする時間を確保するためにFを他の人に回してください。」
「Gをやるのはいいですけど、こんな方法で試してみていいですか。」

あるいは

「HをやってもIのため得られる効果は少ないですが、やりますか?」

と切り口を変えて確認してみるのもあるでしょう。「無条件のYES」でもなく「無条件のNO」でもなく、すべてのビジネスの大原則は

 『条件付きYES』

です。たとえばすべての商売でもそうですよね。「お金を払っていただけるなら」「ルールを守っていただけるなら」という条件のもと、商品をお譲りするわけですから。その商売のプロセス上にある一つひとつのビジネスだけ無条件であっていいはずがありません。

ただお客さまの、あるいは上司の依頼や命令だからといって思考を停止して単純に

 「ハイわかりました」

というのではなく、常に自らの立ち位置や自らの持っている業務、状況、環境などを鑑みて、最も実現可能で、最も効果があって、最もやりやすい方法を自分なりに考えながら進めましょう。

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Takashi Suda / かんた
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