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条件の設定が甘いとアイデアもズレる

今年はひょっとして梅雨、長いですか?

なんか去年はもっとあっさり梅雨が明けた気がするんですけど…いやまぁ、そのぶん台風被害やゲリラ豪雨被害が減るってんならいいんですけどね。

今年はどうなるんでしょうね…。まぁ、今のところ無職満喫中で、家から出ていないのでジメッとした湿気以外、直接的な被害は受けてませんけど。



さて、色々とアイデアを考えなくてはならないケースを思い浮かべてください。その多くは「課題(解決)」「問題(解決)」に対するアイデアに絞られることでしょう。

以前もお伝えしたように

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課題とは、将来的な理想…ありたい姿と現時点とのギャップのことを言います。問題とは、本来あるべき姿に対して現状がその状態まで伴っていない状態のことを指します。

こうした『ギャップ』を解決するために、求められるのがアイデアです。
たとえば、

 「営業成績が落ちている。受注を増やすアイデアを出してほしい」

このように頼まれたとき…すなわち

 本来あるべき姿:もっと営業成績が良い状態
 現状     :あるべき姿ほど成績が良くない状態

というわけですね。
そう、「問題」となります。


では、みなさんなら「何から」手をつけますか?
これをブレストに頼ってしまうと、こういうことになりかねません。

 「なんでもいい、なにかないか?」

すると

 「会社がもっと金を出してくれれば」
 「もっと売れる商品を開発すれば」

と言った自らで解決するわけでもない他力本願なアイデアばかり出てきたりはしないでしょうか。しかも、抽象的で確実に営業成績が向上するという保証もありません。

あまりにベクトルが定まらず、ふわっとしたテーマで生産性の高いブレストを期待したところで、そもそもブレスト慣れしていない日本人では、内容が空転するだけです。

急いでアイデアを出したいところですが、いきなりアイデアを捻り出そうとするのは、実はあまり効率の良いやり方ではありません。

たとえば

 「営業マンのモチベーションを上げるために飲み会を開催しよう!」

と思いついたとします。
一見良いアイデアです。モチベーションは上がるかも知れません。けれども、この方法が有効なのはあくまで彼らのモチベーションが低い場合だけです。元々のモチベーションに問題がないのなら、効果はほとんど見込めません。さらに言うならば、業績が悪くて予算がないのなら、そもそも飲み会を開くことは難しいでしょう。

 社員のモチベーションがあがっただけで
 何の因果関係もない営業成績が勝手に上がる

というわけでもないので、実際のところモチベーションが上がったところで、当初の目的が改善される保証はどこにもありません。こうしてみると、そもそもアイデアを考える前に、まずその置かれた状況を整理する必要があることがわかります。これは言い換えると、

 無数にあるアイデアの中から、
 適切なアイデアを絞り込むための「検索条件」を定める

ことだと言えます。先ほどの例で言えば、「モチベーションはすでに高いので、それ以外の方法」や「予算がないのでお金がかからない方法」といった検索条件になります。こういった条件をすべて洗い出し、それらをすべて満たすアイデアを考えるわけです。

Google検索を思い起こしてみてください。今から、ある情報をググって調べようとしたときに、まったく関係のないキーワードで検索しても、期待するサイトは見つかりませんよね。これができる人かどうかは、普段のググり方など検索の要領を見ていればわかります。

 ・そもそもGoogle等で調べ物をせず、誰かにすぐ聞こうとする
 ・調べ物をしても、なかなか希望する情報が出てこない

こういう人は、アイデアが欲しくて盲目的にブレストを実施しようとしても、大抵失敗するか、成功するまでに遠回りをすることになります。もちろん、感覚やセンスに頼って成功する人もいるのでしょうが、そういった人は模倣が難しいため、参考になりません。

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アイデアを出すために最初に考えなければならないのは、

 「アイデアそのもの」ではなくて
 「アイデアの検索条件」

なのです。営業成績を上げるアイデアであれば…

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このように、ある程度条件を絞ってあげた方がアイデアは出しやすくなるはずです。これは新製品開発や新規事業などに対するアイデアだけでなく、問題や課題に対する解決アイデアの模索でもまったく同じことが言えます。この手順を忘れると、検索条件を満たさないアイデアがわんさか出てきて、収拾がつかなくなってしまうことでしょう。

もちろん、プロジェクトマネジメントでも同じようなことが言えます。

整理し、絞り込むのは「計画」に似ています。プロジェクトには必ず

 「制約条件」
 「前提条件」

があり、その条件の範疇でマネジメントすることが求められています。大抵の場合は、見積書や個別契約書の中で定められているはずですので、ほぼ義務と言っていいでしょう。

盲目的で無計画な進行がスムーズに進むことなどありえません。もし、条件を無視したプロジェクト進行を行おうとすれば、それは決して採用されることはありませんし、また考え直す(手戻りが発生する)羽目になったり、採用されたとしても効果の薄いものになってしまいます。

アイデアは、きちんと効果が期待できるものでなくてはなりません。

ムダな時間や労力、費用を抑えるためにも、まずは求められたときの状況を整理して、必ず存在するであろう「条件」に則ったアイデアを出せるようにしましょう。

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