日替わりスイーツ店
仕事帰りのホームで見たシーンから、妄想を膨らませた結果、少しにやけた。初めて自分で妄想して、笑えたかもしれへん。
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電車に向かってすたすたと歩く小太りのサラリーマン。電車のホームにある「本日限りのお菓子屋さん」に気付くと、二度見した後、歩みを止め、買いたそうな視線を送り、3秒凝視。
店員のたけるも声をかけようか、かけまいかの微妙なライン。サラリーマンは再び電車に向かって歩み始めた。
・・・別の日・・・
以前とは違う和菓子屋さんが同じ場所に店舗を構えている。小太りのサラリーマンはまたも興味を惹かれ、いつもの早歩きを少し遅める、立ち止まりそうなほどに。買おうか3秒考えて、また電車に向かって歩き出す。
店員のたけるは見覚えがあるような顔をするも、仕事に戻る。
・・・別の日・・・
また別のスイーツ屋さんが出ている。また、小太りのリーマンが現れ、以前よりも興味を惹かれているような顔をしている。店員のたけるは気付く。いつも立ち止まりそうになるけど、絶対買わへん人やん。「この人、なんやったら買うねん」と呟き、今日もどうせこーへんやろと思うたける。
小太りのリーマンがゆっくりと挙げた足をそっと下しながら、初めて身体の向きを変えて、財布のあるポケットに手を伸ばす。
店員のたけるは、今日は来るのか!と身構える。
サラリーマンが少し息を吸い、何かを話しそうな素振りを見せるも、身体をねじり、電車の方へ向かう。
毎回買いそうな雰囲気に踊らされる店員
心の中で間違いなく叫んでる「いや、あのサラリーマンいつ買うねん。」
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