マローコラム紹介③ モダンばなし その1
カードゲーマーは全員、マローコラムを読んでくれ。
マジック:ザ・ギャザリング開発チームのMark Rosewater――通称マローは、カードゲーム制作に関するコラムを20年以上に渡ってほぼ毎週執筆・公開している。マジックに限らず、カードゲームをプレイしている人にはぜひ読んでほしい内容だ。
もう3回目だからちょっと雑なことを言うと、本当はカードゲーマーなら全ての回を読んでおくべきだと思ってる。こんなん義務教育だから。四則計算を学ぶみたいなもんだから。
それが難しい方に向けて、特に読むべき回を取り上げるのが本記事だ。義務教育の中のさらに要点、九九みたいなもんだから。読もう。な。
今回のピックアップ記事:『モダンばなし その1』
今回は2013年6月・初代モダンマスターズ発売直後に執筆された『モダンばなし その1』をご紹介。「昔⇔モダン」というジョークになってるんだろうけど分かりづらいネタだね……
当時のモダンに存在した10のブロックについて、それぞれ1つずつ小ネタを語るという企画の前編であり、ミラディンからローウィン・シャドウムーアブロックまでを取り上げている。
1つ1つのネタがコンパクトで、比較的さっくり読める点もマロー記事初心者(?)にオススメだ。
競技環境や個別カードに踏み込んだコラムではないが、「初代ミラディン」「旧ラヴニカ」等と言われてうっすらイメージが浮かぶ程度の知識があればより読みやすいだろう。
神河の失敗と教訓
筆者が特に注目してほしいのは、神河ブロックの項だ。
初代神河は「伝説」がテーマとされており、レアのクリーチャーはすべて伝説であった。(神話レアは当時まだ存在しない)
しかしながら、レアはパック15枚のうち1枚。プレイヤーたちが「伝説テーマ」に触れる機会は、開発陣の想定より遥かに乏しかった。
この失敗以来、マローは「コモンに存在しないテーマはテーマではない」と、複数のコラムで繰り返し述べている。
現在では『灯争大戦』のアンコモンPWのように、封入調整によって「コモンには存在しないがテーマたり得る」カードの登場も見られる。
だがそれでも、「上位レアにしか存在しないなら、それはテーマとは呼べない」ことには変わりないだろう。
カードゲームの商品を論ずるときに、筆者が欠かしたくないと思っている視点の一つだ。
なお、コラム内では他にも「初代ラヴニカの『ギルドの都』って何?」「イーヴンタイドのデザイナーがヘラって辞めた」などなど、興味深い話が並んでいる。
こちらはぜひ訳文・原文にてお楽しみいただきたい。
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