マローコラム紹介① 新世界秩序
「カードゲーマーは全員、マローコラムを読んでくれ」。
筆者の口癖の一つだ。
マジック:ザ・ギャザリング開発チームのMark Rosewater――通称マローは、カードゲーム制作に関するコラムを2002年からほぼ毎週執筆している。(本業のゲーム制作をやりつつ、20年以上ずっとコラムを書き続けるって凄いな)
マローのコラムには、カードゲーム制作者がどんなことを意識して、何を問題と捉えているのか?という情報に満ちている。
マジック以外のゲームをプレイしている人にもぜひ読んでほしい内容だ。
……ただ、何せ本数がとんでもなく多い。いきなり読めと言われても、20年分もあるとどこから読むべきか困るだろう。
そこで、歴代のマローコラムの中でも特に読んでほしい回をピックアップして勝手に紹介しよう・と思い立ったのが本記事だ。
今回のピックアップ記事:『新世界秩序』
初回となる今回ご紹介するのは『新世界秩序』。干支が一回りする以上の昔、2011年に公開された記事となっている。
リンク先からぜひ全文をお読みいただきたいのだけれど、大まかに『マジックの新規参入が伸び悩んでいる→ゲームの複雑化が原因→どう改善するか?』という内容となっている。
ちょっとだけ中身を見てみよう。
新規ユーザー獲得とゲームの複雑さ
記事の序盤、グラフを示しながらマローはこう述べる。
他のカードゲームでも、長期間続いているオンラインゲームでも、同じようなケースは見受けられるだろう。既存ユーザーを喜ばせるために要素が追加されるが、結果として「今から始めるにあたって学ぶこと」が増えていく。
マローは記事内で、まずは複雑さの種類を分類した。
何をする効果なのか直感的でない
盤面の相互作用が多くややこしい
プレイングやピックといった戦略
もちろん、これらの要素がゲームを奥深く、エキサイティングにしていることも事実だ。
既存ユーザーの満足度を下げることなく、新規ユーザーへの障壁を下げるためには、何をどう改善すればよいのだろうか?
マローの出した答えは、コラム本文にて。