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我思ふ Pt.42
実るほど頭を垂れる稲穂かな
↑このウタ大好きなんです。
あたすの生息区域ではもう田んぼのしろかきが終了して、水が張られてキラキラ光る水面を見ることができる。
綺麗だわね。
ガキの時分、田んぼの変化で季節を感じていたもんだ。
田植えが終わって特有の青臭さにむせ返り、
蛙の大合唱に耳を塞ぎ、それを食うマムシとヤマカガシというプレデター達に恐怖し、気が付けば赤とんぼが飛び回って、そして稲刈りを終えて裸になった田んぼがまるで祭の後のように疲れた表情を見せる。
「ようし、んじゃ始めるかや。」みたいな声が聞こえてくる野焼き、「また来るぜ?春がよ…。」と呟きが聞こえる田起こしとまた季節は回る。
あの時遊んでいた田んぼは住宅地へと変貌を遂げ、あの時走り回っていた山はショッピングモールになり、生き物の宝庫だった用水路はその姿を消した。
そして…あの時親父とたけのこを密漁していた山は開発されて、その住宅地にあたしん家はある(笑)。
全部無くなっちまったな。
無くなったとは意味合いが違うか。
生まれ変わった…そう考えれば寂しくはないよな。
なぁあの時の田んぼ達よ。
視野を広く持て
下も視野の一部だ
気にしなくていい
見なよ
あの稲穂を
美味い美味い米粒付けて
重すぎて頭下げてら
あんなに美味いのに
謙虚だよな
あんな生き物に
なりたいものだ
2022年3月31日