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【#86】オススメ本紹介!『アルジャーノンに花束を』

<この記事を書いた人>
Kai Nishitomi

1988年生まれ。神戸市出身。塾講師/塾経営者。
大学在学中の20歳で学習塾を開業。
以後マンツーマン専門のプロ講師として自塾・大手塾にて授業を担当。
「自ら学ぶ力を高めるための学習法の分析と指導」を専門とした指導スタイル。医学部をはじめ難関大受験指導を中心に活動。
最近では社会人の学習・スキル獲得のためのアドバイスも展開。


今回は『アルジャーノンに花束を』という小説をご紹介します。
何度も映像化されている名作中の名作ですので

「名前ぐらいは聞いたことあるなぁ」

という人も多いかもしれません。
いいですか?
そういう人は必ず読んで下さい

これは必読書です。

特にAIによって生き方に大きな変更が余儀なくされそうな社会において

「幸せに生きるってどういうことか?」

を見つめ直させてくれる本であることは間違いありません。

小説の中でもかなり読みやすい部類に入る本ですので、普段あまり読書しない方にもオススメできます。

どんな本?

<あらすじ>
32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。

リンク貼るためにamazonを見に行って気づいたんですが、ヨルシカがこの小説をテーマにした曲を出しているそうで。
聞いてみたらとても良い歌だったので、合わせて是非聞いてみて下さい。


頭が良いって幸せなことなのか?

この小説のテーマはざっくり言えば

頭が良いって幸せなことなのか?

です。

主人公のチャーリーはいわゆる発達障害で、32歳でも幼児並みの知能しかありません。
パン屋で働いていますが、パンづくりは覚えられないので雑用だけ。
パン屋の人たちとの会話もほとんど意味がわかっておらず、適当に相槌を打って笑うことしかできません。

だからチャーリーは
「ぼくわかしこくなりたい」
と思うのです。

そして手術によって彼の知能は驚くほど向上します。
(もちろん実際にそんな手術はありません。SFです)

チャーリーは望み通り賢くなりました。
人並みを通り越して「天才」と言われるレベルまで。

しかし、賢くなった彼の目に映った世界は良いものばかりではありません。

例えば知能が上がる過程でチャーリーはパン屋さんで周りの人たちからバカにされ、からかわれていたことに気づきます。

知能が上がる前の彼は、周りの人のことを
「みんないい人」
「みんな友だち」

と言っていました。

知能が上がった分だけ見えるものが増える。
人の裏側、社会の裏側まで推測や想像が及ぶようになる。

そして何より、天才になってしまったチャーリーはその苦悩を分かち合う(=チャーリーと同じだけの知能を持つ)人が周りにいなくなります。

知能が高すぎて逆に孤立してしまうわけです。

「知能が高い」はハンデ?

一説にはIQが20違う人同士ではもはや会話は成立しないと言います。

この説に従うのなら、例えばIQ140の人がいたとして、その人の会話相手はIQ120以上は必要なわけです。
でもIQが120を超える人は全体の15%程度だと言われています。

つまり、IQが140の人は人類の85%とは会話が成立しないということ。

これからの社会では知識面・技術面はAIがかなり補完してくれます。
だからこそ人間はコミュニケーションを取り、意思決定していくプロセスが重要になるという考え方もあります。

だとすると、知能が高いことは逆にハンデにもなり得ると思いませんか?

これまでの社会では

能力が高いこと=良いこと

とされてきたと思います。

でも
速く走ることにおいて車に勝てないように
計算することにおいて電卓に勝てないように

知能においてAIに勝てなくなるなら

(スポーツなどの生身の人間がやることによるエンタメ性や芸術性を除けば)
中途半端に高い能力をもっていることよりも、人並みであることの方が価値を持つ可能性があります。その方が多くの人と共感したり、コミュニケーションを取ったりしやすいので。

知能の変動の中でチャーリーは何を見出したか?

ちょっと現実的な話になりすぎてしまいましたが、この作品中でチャーリーは手術によって天才レベルの知能を手に入れますが、手術には欠陥があり、また徐々に知能を失っていくことになります。

本当なら起こり得ない知能のアップダウンの中で、世界はチャーリーにどんなふうに映り、チャーリーはそこに何を見出したのか?

それは是非、作品を読んで確かめてみて下さい。


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