#イラストストーリー部門 #創作大賞2023 アコガレダマシ 目の前には私が立っていた。 高校二年の夏休み、その八月二十日。登校日であると定められたこの日にしか、私は私に近づくことができなかった。 目の前の私は教卓に両手を置いて、私を見上げている。彼女の中にいるのは私ではない。 私では、私をこれほどまでに輝かせることはできなかった。 空河頼香(むなかわらいか)。それが目の前にいる少女の名前であり、私が白衣のポケットに隠している拳銃で撃ち殺さなければならない相手で