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あのAmazonのCMは意味がわかると怖いCMだった(すべてをカレーにしてしまうお母さんとパーフェクト・レボリューション)

Amazonスマイルセールなるものがやっていた(もう終わっている)ので、前から気になっていたAmazonのCMについて書いておこうと思う。


・アレクサのCM(カレーにしてしまうお母さん編の嫌悪感と違和感)


2019年頃、アレクサのcm(アレクサというのアマゾンが出してるスマートスピーカー)で、「肉じゃがが母さんの味にならないよっ」という多くの人がなんともいえない嫌悪感を抱くようなCMがあった。

覚えている人はピンときたと思うが、知らない人に説明するのは難しい。
一応、詳しく説明すると、CMはおおよそ下記のような流れだ。

キッチンで、男の人が肉じゃがを作ってる。
その肉じゃがを味見し、「あれっ、肉じゃがが母さんの味にならないよっ」とその男性は言う。
母親に電話するため、アレクサに「母さんに電話して」と言う。
男性は母親に肉じゃがが母さんの味にならないのでどうしたらいいか相談する。
タブレットモニターの向こうの母親は息子に対し、冷蔵庫からカレーのルーを取り出すように指示する。
息子は肉じゃがにカレーのルーを入れる。
それを味見し、「あれっ、母さんこれって」と言う。
タブレットモニターの向こうの母親は「そうよ、カレーよ」と言う。
その時、家のチャイムがなる。誰か来たのだ。
それを聞いた母親は「今度はどんな子なの?」と言う。
息子はアレクサに電話を切るように言う。

要は、新しくできた彼女が家に来るから、男性はその彼女のために肉じゃがを作っていた。しかし母さんの味にならない、母親に相談する、そしたら肉じゃががカレーになっちゃった。あれれー、でも、まーいっかというCMです。

一度もこのCMを見たことのない人に説明するのは難しいのだが、本当にこういうCMがやっていたのだ。

当時、ネット上でプチ炎上していたのだが、この肉じゃがをカレーにしてしまうお母さんのCMは、元ネタがあり、アメリカ版のアマゾンのCMを元に作られているのだ。

その元ネタのCMの内容は下記のようなものだと伝え聞く。

10代後半くらいの女の子がキッチンで料理をしている。
味見して、お母さんの味にならないって言う。
アレクサに電話をかけてと言う。
お父さんが電話に出る。
ここで電話の向こうのお父さんは当然カレーを入れろと言うアドバイスはしない。
詳しくは分からないが、隠し味的調味料などを教えるようだ。
そしたらお母さんの味になった、家のチャイムが鳴る、お父さんは電話の向こうでどんな奴なんだ、みたいなことを言う、娘はアレクサに電話切ってと言う。

おおよそ、このような内容だと伝え聞く。

こうやって要素を抜き出すと同じように見える。
しかし、アメリカ版のCMの最大のポイントは、お母さんの味にならないといって、お母さんではなく、お父さんに電話するところだ。
なぜ、母親でなく、父親に電話するのか。
もう母親はこの世にいないということが分かるような映像が流れる、そういう演出が入るのだ。

母親はもうこの世にはいない、だけど、母親が残した味は父親が知っている、その味、その料理というのは娘も父親も大好きだった。
そしてその料理の味、母親の味は、父親を通して、娘に受け継がれていく。
そして娘はそれを自分の大切な人にも食べてもらいたい。
娘にとって理想のカップルは自分の両親であり、また自分もそういう理想のカップル、両親のようになりたいと思っている。

という内容だと伝え聞く。

このcmを日本に持ってくるとなった時に、そのままは再現はできなかったということだとは思う。
当時、アマゾンの格というか浸透度が日本ではそこまでではなかったのだ。
日本でこの手のCMといえば、例えば小田和正の曲が流れる生命保険のCMとか、東京ガスのCMとかだろう。

今でこそ、アマゾンも日本にかなり浸透し、日本でもこの手のcm、つまり小田和正の曲が似合うCMを流しているが、当時、といってもたかだか数年前はまだこのレベルではなかったのだ。
やはり、ステイホームで通販が伸びたこと、アマゾンプライムが伸びたことが大きいだろう。
コロナ禍を経て、ついにアマゾンは生命保険や東京ガスのような、本当に生活の一部になったのだ。

このような理由で、アメリカ版CMが日本版に翻訳される際の変化が説明できてしまうような気がする。
僕も初めはそう思っていたが、しかしそれでも肉じゃがをカレーにするという圧倒的な違和感はどうしたものか。
その理由は後で説明しようと思う。

・アマゾンプライム解約運動?ワイドナショーなCM

もう一つ、炎上したアマゾンのCMがある。
炎上した理由は国際政治学者 三浦瑠麗さんが出演していたからだそうだ。
当時からある界隈では嫌われており、今も昔も何をしているのかよく分からない三浦瑠麗さんだが、このCMの影響でアマゾンプライムの解約運動が起きたらしい。
今も昔も三浦瑠麗の本は売れておらず、また、テレビに出たからといって視聴率が上がったこともない。
そんな人がCMに出演したくらいであのアマゾンプライムの解約運動が起こるというのは嘘だろう。
そんな嘘を大手の新聞が堂々と書いているのだから、虚構新聞も恐怖新聞も真っ青だ。

なんだ国際政治学者って

このcmにはダウンタウン 松本人志さんも出ていた。
それからリリー・フランキー、清野菜名さんも出ていた。
この4人が出ていたのだ。

ダウンタウンの松本さん、三浦瑠麗さんは当時、ワイドナショーに
出演していた。

このワイドナショーをはじめ、フジテレビ、フジサンケイグループは
当時、首相だった安倍晋三さんと懇意にしていた、ということが言われている。実際、安倍元首相は当時現職の総理大臣としてワイドナショーに出演していたというは確かに事実である。

これはアマゾンが日本政府に忖度したのではないかと言われている。
はっきり言ってこれが忖度なのか、こんなものがどの程度、影響があるのかは疑わしいが、アマゾンとしては当時、日本政府に対していい顔をしときたかったというのは確かにある。

このCMが放送されていた2020年当、アマゾンの日本での目下の目標、一番の目標はアマゾンウェブサービスを日本で広げることだった。

アマゾンウェブサービス(AWS)というのはアマゾンが展開する、クラウドサーバー事業のことだ。なぜこれを日本で広げたいかというとAWSというのは利益率が非常に高い事業だからだ。

アマゾンはもともとは通販の会社だが、現在、利益を稼いでいる筆頭事業はAWSである。
アマゾン全体で見ると、AWSの売上高は十数%しかない。しかし全体の営業利益の7割以上をこのAWSが稼ぎ出しているのだ。
いかにAWSの利益率が高いかわかるだろう。
しかし、利益率が大きい分、初期投資の費用も当然大きくなる。AWSというのはプラットフォーム事業のため、かつてのベータ、VHSやパソコンにおけるWindowsのように、一人勝ちしか存在しないというようなものだ。
投資をすると決めたら最後、一人勝ちしか許されない、とにかく勝つしかないのだ。

まず官公庁にマゾンウェブサービスを採用すれば、一般企業にもそれにならう、そういう作戦だったのか、当然、アメリカの圧力もあったと思うが、結果、現在、行政システムのクラウドサービス、これをガバメントクラウドと言うそうだが、このガバメントクラウドの整備初年度、2021年度にこのアマゾンウェブサービスが採用され、各府省庁と自治体のガバメントクラウドのシェア、9割以上をAWSが占めている。

日本の行政システムのクラウドサービスの9割がアマゾンの
サーバー、フォーマットを使っているということだ。

・肉じゃがはカレーにしてしまえっ!パーフェクト・レボリューション!


カレーにしてしまうお母さんのcmの話に戻ります。
だから肉じゃがをカレーにするCMを作ったのだ。
あれはなんかよく分からないうちにああなってしまったCMではなく、意図的にどうかしてしまっている確信犯なのだ。
すべてをAWSにするという宣言だった。

もう一つ、アマゾンプライムのCMだが、ワイドナショーコンビ、ダウンタウン松本さんと、三浦瑠麗さん、この二人はデコピン、いわば囮です。
本命はリリー・フランキーと清野菜名さんだ。
この二人は2017年の映画で共演している。
主役がリリー・フランキー、相手役が清野菜名さんでその映画のタイトルは「パーフェクト・レボリューション」だ。

つまりこの二つのアマゾンのCMというのは、肉じゃがはカレーにしてしまえ!パーフェクト・レボリューション!という、アマゾンの明確なメッセージが込められたものだったのだ。

ちなみにアマゾンのロゴマーク、およびアマゾンのロケットは
みうらじゅん提唱するところの「確珍犯」である。

Believe It or Not!


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