【備忘録】読んだ本②『れいわ現象の正体』
政治関連の本ですが、決して政治的主張が目的の記事ではありませんので、お気軽にお読みいただければ幸いです。
◾️本書について
昨年4月の結党以来、「れいわ現象」を巻き起こし、注目を浴びたれいわ新選組を支持している人々に焦点を当てた本です。
著者は新聞記者で、取材がルーティンなだけあり、支持者がどのような経緯・思いで支持しているのかが、豊富な取材を通してわかります。
そこからわかる支持者の共通点は「何らかの生きづらさを抱えている」という点です。
ここに登場する方々は、貧困、障害、性的マイノリティーなど当事者の方や、家族に持つ方などで、そのような方々の立場に立った時、山本氏の政策や方針に希望を抱くことには何の違和感もありません。
ただし、この本は「どんな人々がれいわ新選組を支持しているのか」という点が主題となっているので、そもそもれいわの何に、どうやって惹きつけられているのかを説明する上で、山本氏の演説の引用が多く見られます。
そして支持者の話を採り上げているので、どうしても党の肯定的側面が強いのは否めません。
ゆえに本書はれいわ支持者からすれば「イイネ!」であるのに対し、れいわ新選組に対して懐疑的な人々からすればそうでない評価になることは仕方のないことと思います。
当たり前のことかもしれませんが…
◾️読了後の感想
嘘ついたり隠しても仕方ないので言ってしまいますが、実は僕も参院選の前に山本氏の演説動画を見て涙した人間の1人です。政治に興味を持ち始めて間もない自分には「こんな政治家いるのか!」と思ったのをよく覚えています。
なので支持者の方の話は他人事に思えませんでした。
著者の思いは「支持する・しないに関係なく生きづらさについて考えるきっかけにしてほしい」なので、福祉に携わっている自分には、本書がその役目を充分果たしてくれていると感じました。
また、これも支持する・しないに関わらず、政治について考える取っ掛かりとして、本書は1冊目にちょうど良いのかなと思いました。
もちろん、ポピュリズムへの懸念などもありますが、本書のテーマではないのでここでは採り上げずに終えたいと思います。