選ぶこと、選ばないこと

Forgive me, Sataki.

留学期間も終盤を迎え、担当してくれた講師たちとひそやかなお別れパーティーを催していたときだ。        
餞別として、写真を撮ってもらい、個別でメッセージも貰った。
「許してくれ、さたき。」

講義の中で、同じクラスのメンバーを一人ずつ指名して、4つ程度のチームを作ることになった。
私は指名する側の立場になり、誰でも好きな人を1人ずつ自分のメンバーにしていいといわれたのだが。
私は誰も指名しなかった。彼にも、選びたくないと伝えた。ただのゲームだよって慰められたり、何で選びたくないのって不審そうにされた記憶があるが、私は自分を押し通し、最後まで拒否した。
結局のところは講師が折れ、他3人が選ばなかった人たちとチームを構成することになった。

そのときの私が正確なところどう思っていたか忘れてしまったが、最も心を占めていたのは「私が指名しても喜んで一員になってくれる人はいない」という思いだったと思う。

私が選ぶことで、もしかしたら選ばれたかったかもしれない人のところへはいけなくなる。
逆に私が選ばなかったことで、名前を呼ばれる期待をしていた人がひっそり傷つくかもしれない。
選ぶこと、選ばないことがとても苦手だ。人間関係については特に。

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