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2024年の自選10首


鷹野さんの企画に参加しました。毎年取りまとめていただいてる企画の縮小版ではありますがテンプレートまで配布していただいて本当にありがたいです。
さらっと振り返り。


大丈夫 まだまだ続くこの旅をどこまででも歩いてゆくから

まさかどくんの今年のお誕生日短歌から。
正門くんが歌う大丈夫がすき、本当に大丈夫だと思えるから。今年掴んだデビュー、感謝しなければいけないのはこちらの方なのに、めいいっぱい愛をくれる、Aぇ! groupって。
これからも続くことを信じさせてくれる。今年の全国ツアーで歌ったストーリーぃ!の事も思い出しながらよんでお気に入りです。


まぶしくてぎゅっと目をつぶったときあなたを好きなときとおなじだ

Aぇ! groupの楽曲から。末澤さんの表情の豊かさ。曲によって、曲中でもころころ変わるそれを少しでも表現したかったうた。
【あなたを好きなとき】のときはひらがなにしたかった、し、このあなたを好きなときは、対象を好きな時間でもあるし、対象の好きな場面でもあってこういう二重に意味を取れるようにするのが好き。

すれ違う事に安心を この愛は一方的でほんとよかった


帰り道生きてたって ああちゃんと生きているってやっと分かった

どちらも#アイドル短歌ワンドロ の企画から。
視線の対比にした短歌も好きだが自分のアイドルを好きな時の感情が詰め込めてよかった。

生きているってやっと分かった、は自分にもアイドルにもかかっている。アイドルが生きているって思うのって不思議というかアイドルをなんだと思ってるんだという感じなんですが。
ライブ、というお題にも合ってるし感情そのままよめて気に入ってます。


辛くないスープカレーを食べながらわたしのためのうただとおもう

これ、ものすごく自我がでてるなというかんじ。スープカレーなんて辛い前提の食べ物なのにわざわざ辛くないものを作ってくれている、その気持ちが本当にいつも嬉しい。


最初から理想があって叶えたい 水平線のように別れる

ネプリおりぼん 夏号に出した連作『青』から。
夏が好きなのでこの連作もだいぶ気に入って真っ先に出した記憶。

自分が思う水平線は真っ青の空と海の青がはっきりと分かれている状態ではあるけれど、人によって思い浮かべる水平線は違う。太陽が海に沈むようなオレンジと青を浮かべる人もいる。グラデーションのように滲む水平線もあるかもしれない。
でもはっきりしているのは海と空は全く違うもので交わることはないということ。
思い浮かべる色は違くても、どれだけ似ていても繋がりそうでもその境界が交わることはない、という事実みたいにあなたと別れたい。

この『青』の連作に限らず好きな気持ちが必ずしも叶ったり報われたり振り向いて貰えない、でもそれでもいい、ただ好きなだけ。と自分でも思っているしそういう短歌が詠みたいし読みたい。
ただ好きなだけでいい、という気持ちが根底にあるので別れるにしても出来れば水平線のまま綺麗なまま、でいたいのかも。


たてがみを撫で付ける風 大丈夫 失わなくても、もう大丈夫

こちらは春号から。10首を決める時に最初が大丈夫だったので最後もこの大丈夫で締めたかった。
結構好きな言葉かも、大丈夫。

春といえば、で思うとくるりと春風がすぐ浮かぶ。連想ゲームみたいなもんですね、短歌を作る時は余計にそうかも。
この時はなぜか風と一緒に走る馬がイメージとしてあって、そこからたてがみだ!と思ってとりかかる。

Discord『アイと短歌』より

春ってずっと切ない気温も匂いがしていて、うまく言葉にできないけどそんな不安がある。最初は負けないように、とよんでいたけどなーんか自分っぽくないんだよなぁと推敲後変えました。

不安な気持ちだけでも失うだけでもない春を大丈夫と言ってあげたくなったのかも。


今年一年全然よめない!と思いつつなんとなく10首好きな短歌が集められました。色んな人がいて色んな話をして色々みれて、その結果よめた好きな短歌ばかりで幸せでした。