読書感想「無敵の独学術」
今、独学術と入力しようとしたら「毒学術」になってしまい、誤変換の面白さに笑ってしまいました。あ、のっけからすみません(笑)
最近、独学に関する本が人気です。読書猿氏という、博学な方の「独学大全」という名の鈍器本(本で殴ったら武器になるくらい分厚いやつをそう呼びます)が、788ページ、3000円を超す大著なのに20万部を売り上げるベストセラーに。
こっちも読んでみたかったんですけど、たぶん788ページはきっと無理、という私自身の怠惰と、うちの本棚がもう溢れかえっているので辞書としてもかさばりすぎて置けないし、独学のことがさらっと読めるもうちょっと薄いやつ、と考えていたところに、目に入ったのがこのひろゆき氏の「無敵の独学術」でした。
ひろゆき氏は、今若者たちのあいだに人気のある方で、彼らが思っていても言えないモヤモヤしたことを、スパッと言ってのけるスタイルが絶大なカリスマをもつようになっています。まあ、ホリエモン氏と喧嘩したりとか、炎上を楽しむ意地悪な一面もある方なので、大嫌いなひともいらっしゃるようではありますが。
インターネットの黎明期に、2ちゃんねるという匿名で誰もが記事の書き込める掲示板という仕組みを作り、管理人に。2009年にそれを譲渡し、今は英語圏で最大の匿名掲示板「4chan」の管理人となり、フランスに住んでおられます。
ダイヤモンド社刊行の「1%の努力」は38万部以上のベストセラーとなっていて、そのひろゆき氏が出す「独学」の本、ということで、楽しんで読むことができました。
フランスにお住まいだからなのか、物言いはソフトでありながら、かなりシニカルにヒネくれた物の言い方をしている内容で。いろいろとためになるお話をどどーっと書いてありながら(いや、若者向けの本当に実のある話は多いです)自分のことも疑えヨ、という項目を作っておくとかね(笑)
シニカルだけど、けっこう親切。昨今の新型コロナウイルスなどの情報に対して、どう検索をしていくかの力や、デマやフェイクニュースに騙されないようにしていくかのコツなども書いてあって、ヒネクレているけど誠実という不思議な読後感の本でした。
オミクロン株がどうなるやらで、ふたたび巣ごもりしなくてはならないという状態が来ると、どうしても自分で自分自身を成長させていく必要性が高くなっていきます。そうしたときに、どうやって「独学」をしていくか。そのポイントがきちんと抑えられています。
「1%の努力」というタイトルで「あ、努力ってしなくてもいいんだ」という0思考、逆に「1%の努力」じゃなくて「努力すればなんとかなるから100%を出せ」という100思考に、かなり批判的な精神を持って書かれています。若い子たちがこれから仕事をしていくなら、この「無敵の独学術」のほうがタメになるな、と感じました。
この「無敵の独学術」は、最近著作をバンバン出しているひろゆき氏の入門本としても最適なのかもしれません。
※ 見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーよりia19200102さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。
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