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キャッシュレスの国で子どもを育てるにあたって

こんな中国に関する記事を読みました。

中国では、現金をほとんど使ったことがない、知らないという子どもが増えているそうです。QRコードによるキャッシュレス決済がすっかり主流となったいまの中国では、たしかに現金を扱う機会が全然ありません。

たしか、僕自身がキャッシュレス決済を使い始めたのが2016年くらいでした。その時はまだ猫も杓子もキャッシュレスという感じではありませんでしたが、そこから一気に普及が始まり、ふと気づけば現金を1年に1回も使わないような社会になっていました。なので、この周辺の時期に生まれた子どもが現金にまるで馴染みがないというのも、不思議な話ではありません。

おかげでいまの中国では、子どものお金に関するリテラシーを養うことが難しくなっているそうです。目の前に数量をともなった紙幣や硬貨が存在しないことで、想像力が働きにくくなっているのでしょうか。上の記事ではレジの仕組みや「お釣り」という概念のわからない子どもや、金銭感覚がガバガバになってしまって子どもの例が紹介されています。

似たような例は僕も見聞きしたことがあって、親戚の子どもが春節(お正月)に大人たちからもらった2000元くらいの紅包hong bao(≒お年玉)を、その日のうちにゲームセンターやおもちゃ屋さんで使い切ってしまったことがあったそうです。2000元といえばいまのレートで4万円くらいなので、結構な金額です。

その子は8歳くらいだったそうですが、現金での買い物はほぼしたことがなかったようです。まあこうした使い込み(?)は日本とかでも起こりそうな話ではありますが、現金を使う経験が乏しかったことで、自分がいまどれくらいの価値のものをやりとりしているのか自覚しにくかった面はあるのかもしれません。

さて、中国に住んで最近子どもが生まれた僕としては、こうした社会現象は他人事ではありません。こうした社会で子どもを育てていくにあたって、子どもにお金のことをどう教育するかについてはキッチリ考えておいた方がいいでしょう。

というわけで、このニュースを見て考えたことを書いていきます。

そもそもお金にガバくなりやすい

お金のリテラシーが育ちにくいというのは、たしかに問題ではあるように思います。そもそも中国って、キャッシュレスということを考慮しなくとも、子どもにお金のことを教えたり、使わせる機会があんまりないのですよね。

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