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中国・体育館崩落事件への雑感。「融通」は時に、少女たちを殺す

気が滅入るようなニュースですが、扱っておかなければならないと思い、今日はこの件について取り上げます。

東北部の黒竜江省・チチハル市のとある中学校の体育館の屋根が崩落しました。学校は夏休み中でしたが、発生当時には折悪く同校の女子バレーボール部が練習をしていました。結果として、生徒とコーチを含む11人が亡くなりました。

事故の原因となったのは、屋上に置かれていた建築資材だとされています。体育館の隣で工事をしていた建築業者が、屋根の上に多量の石材(パーライト)を無断で保管しており、それが雨水を吸って重くなった結果、崩落につながったと言われています。

この事件への注目をひときわ強くしたのは、事件を受けた警察や地元当局の反応でしょう。救助活動などはできる限り迅速に行われたようですが、その後被害者たちが運び込まれた病院には、警察や政府の人間が多数詰めていました。そして、被害者家族を見張るような動きをしていました。

当局はこの件を社会的な影響が大きいと判断し、被害者家族がSNSなどを通じて都合の悪い情報や、批判的な訴えを世に出すことを恐れたのでしょう。警察や政府関係者は病院に駆けつけた被害者の家族らの疑問や状況説明の要請に何一つ答えず、また本人はおろか、処置をする医者への面会すらさせませんでした。

あまりの仕打ちに耐えかねたひとりの保護者が、それでも抑制的な態度で警察や地元当局の人間などに思いをぶつける映像が出回っており、いたたまれない気分になります。

昨日も書いたことですが、情報を過度に秘匿したり、制限しようとする動きはかえって不信感や猜疑心を生み、それを行う者や出来事への印象をより悪くする場合があります。

こうしたことが起こると真っ先に何者かの保身の力学が働く、この国の嫌な部分がふんだんに出てしまった事件だと言えるでしょう。

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よくある中国当局ムーブの話は置いておいて、事故そのものの話をしましょう。

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