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「お天道様」と監視カメラ、そして中国共産党

突然ですが今日、昼ごはんを食べながら「中国において「お天道様」の役割を果たしているのは、中国共産党ではないのか?」という仮説が突如として頭に降ってきたので、忘れないうちに書き殴っておこうと思います。

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日本では、人の悪いおこないを戒める言葉として、よく「お天道様が見ている」という言い方をします。

「お天道様」とはつまり太陽のことであり、それに象徴される神様や絶対的な存在を指します。「あなたの行動は誰かに見られており、いつか報いを受けるのだから、悪いことは慎みなさい」というのがそのロジックです。

中国語にも、似たような意味を持つフレーズはいくつかあります。なかでも「|人在做,天在看《rén zài zuò,  tiān zài kàn》」(人のなすことを、天(神)は見ている)というのは、「お天道様が見ている」にかなり近いニュアンスを持っていそうです。

しかし、これも知る限り日本の「お天道様〜」ほど頻繁に用いられるフレーズではないと思います(いま嫁に聞きましたが、言葉は知っているけどそれを使って諭されたような経験はあまりない、と言ってました。サンプル数1ですが)。

そもそも中国の人々は、身内以外の「ソト」の人間に関心が薄いため、漠然とした「誰か」が見ているよ、ということが行動の戒めにはならないのかもしれません。

かわりに、中国において人々を「見ている」存在は、もっと具体的なものです。それはつまり、中国共産党に代表される国家権力による監視です。

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