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トランプ再選が理解不能な中国の人々

米大統領選挙が、共和党・トランプ陣営の勝利で幕を閉じようとしています。

直前までの報道だと五分五分でどっちが勝つかわからない、みたいな空気感が流れていたような気がするのですが、フタを開けてみればトランプの圧勝と言わざるを得ない結果。上の松井博さんの記事で知りましたが、思った以上にハリスというか、民主党って嫌われてたんだなあと。

ともあれ、公正な民主的手続きでトランプが選ばれたのですから、これはもうアメリカの皆さんの選択ということです。それ以上に言うことはありません。

一国の選挙がこれほど注目を集め、世界中に大きな影響を与えるというもよく考えればすごい話ですが、世界がすでにそうなっている以上、この中で身の振り方を考えるしかないのです。

中国から見た場合に、今回の選挙結果を受けて気になるのは、やはり米中貿易摩擦と台湾問題でしょうか。

まず前者について、トランプは国内産業保護のために中国からの輸入品に60%の関税をかけると言っています。実現可能なのかは別として、もし実行されれば中国は大きな打撃を受けることになります。

中国の国内市場が冷え込むなか、海外にものを売っていかねばどうにもならないという時に、最大のお得意先であるアメリカに締め出しをくらうのは厳しいでしょう。60%という数字が実現しなくとも、障壁が大きくなる可能性は十分考えられます。たぶんアメリカが一番売り上げの大きいTemuとかSHEINとか、どうなるんでしょうね(そもそも対象になるんだろうか)。

後者については、「自由と民主の守り手」的なムーブをしてきた民主党政権とは違い、良くも悪くもアメリカ国内のことにしか興味がない(という姿勢を見せることが支持にもつながっている)トランプは、かねてより台湾と中国の問題に関しても、積極的に介入したがらない姿勢を示しています。むしろ、守ってやってるんだからカネ払えよ、的なことも言ったりしています。

それは軍事的な意味も含め、「米国の庇護」という台湾にかかっていたバリアのうちのひとつがなくなる、少なくともそれが薄くなる可能性につながります。すぐにドンパチとかそういうことではないでしょうが、両岸の交渉の形が変わっていくことは十分考えられます。

ある種、この2つの事象はシナジーを持っているとも言えます。米中の経済関係が台湾関連を含む中国の横暴・拡張主義っぽいムーブをまだしも抑制している部分はあると思うので、米中の利害が一致しなくなれば世界にとってきな臭いことが起きる確率はそれだけ上がっていく……というような構図が素人目にも見えてきます。

まあ、それも素人の見立てですし、こういうことに関しては専門家の方とかがもっと語るべき言葉を持っているはずなので、ここでは詳しく述べません。トランプが言ったことを実際にどれだけ実行に移すかもまだわからないので、しばらくは様子を見るしかありません。

ただ状況が動くことは間違いないと思うので、トランプが実際に政権を取り始めてからの動きを注視したいと思います。

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さて、今後のことについてはわからないとお茶を濁したとろで、ここからは中国で生活しながら今回の大統領選について興味深かったことの話を少し。

WeChatで僕が参加しているグループチャットに、今回の選挙について盛り上がっているものがあったのですが、そこにいる何人かが「アメリカ人がなんでトランプを選ぶのかわからない」という論調で話をしていました。ハリスがどうというよりも、トランプはどう考えてもナシでしょ、という意見です。

差別主義者で、粗野で下品な成金のセクハラ野郎、しかも犯罪者に、なぜみんなが投票するのか理解に苦しむ、というお話です。極論、アメリカ人はバカなんじゃないかという雰囲気さえそこには漂っていました。そして人によっては、選挙というシステムにはやはり欠陥があるのでは? と疑問を呈します。

僕はこれを見て、ああなんだかとても中国人らしい感想だな、と思いました。以下、どういうことか書いていきます。

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