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結婚するのも、子どもに振り回されるのも、なんやかんや楽しいです

毎日毎日、子どもに振り回されています。

寝返りとずり這いをするようになり、そのへんを動き回れるようになってしまったので、何をしている間も目が離せません。ベビーマットを敷いてその周囲を簡易的に囲っていますが、隙あらば仕切りを乗り越えようとしてきたり、時たまマットの上を転がって頭をゴツンとやって泣き出したりしています。パソコンで仕事をしながら横目で子どもを見ていますが、しょっちゅう見に行ってやらねばなりません。

しばらく構っていないと大泣きしてこちらの注意を引き、わかったわかったと抱っこしてやるとすぐに落ち着くのですが、しばらくしてまたマットの上に戻そうとすると、それを察知して抵抗するように大泣きを再開します。そのループが1時間以上延々と続くこともあります。

基本的に寝つきはいいほうなのですが、最近はたまに夜泣きもするようになって大変です。この前は夜中にギンギンに起きてしまい、「落ち着いてまた寝るまで見てようか」と夫婦2人で待っていたところ、そのまま2時間半くらい寝ずにベッドの上でキャッキャと暴れ回り、ウェェェーーイと奇声を上げていました。僕と嫁は半開きの目でそれを見ていました(交代で寝ようとしたけど、奇声がうるさくて寝られんのよ)。

そんな生活の中で、なんとか日々の仕事や家事を合間合間にねじ込んでいる状態ですが、やはり物事の進みは遅く、睡眠時間を削ってやらなければいけないこともたくさんあります。

いま僕は大量の書類仕事を終わらせた後、眠い目をこすりながらこの文章を書いています。肌はガサガサだし、体の至る所が意味不明に痛いです。好きなYouTubeのチャンネルを見たり、ゲームをやる時間もありません。

でも、そんな生活を、このうえなく楽しいと思っています。

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昔は結婚する気も、もちろん子どもを作る気もありませんでした。

周囲のみんな同じような感じだったし、なんとなく時代の空気感としてそうなっていたのもあるとは思いますが、何より自分が結婚とか子どもとか別にいいやって思ってたのって、結婚したり子どものいる大人が全然楽しそうじゃなかったからというのが大きかったように思います。

結婚している人には独身であることを羨ましがられてばかりでしたし、子どもがいる大人はなんかみんな子どものことに神経を尖らせて疲弊したり、カリカリしているように見えました。あんなになるんだったら、むしろ結婚もしたくないし子どもなんていらねえや、という考えを自然と内面化していました。

でも、自分が中国に来て、なんやかんやで結婚して子どもを持つ立場になってみたところ、そこにあった光景は想像していたものとは少し違いました。独身が羨ましいという気持ちも理解はできるし(できるのかよ)、子どもがいて気を揉んだりカリカリするというのも確かにそうなのですが、それ以上にこんなに楽しいことってありません。

表面的な事実だけ見れば不自由にはなるし、お金のこととか将来のこととか不安はむしろ増えます。いまも子どもの面倒を見ながらフリーで仕事をしていますが、この瞬間も本当にこのままでいいのか?将来のためにもっとしっかり働いてお金を貯めておかなければならないんじゃないか?と葛藤が消えません。

そもそも、思い通りにならない他者と生活をともにすることのめんどくささったらありません。僕のように国際結婚であればその溝の大きさはなおさら大きなものになります。パンツの洗い方にまで文句がつくんですから。もうどれだけ、不毛な衝突を繰り返したかわかりません。

さらに子どもができれば、もう自分の自由なんて望むべくもないのは上に書いた通りです。健康と余暇を犠牲にして、全力で子どもに向き合うことを余儀なくされるのです。

でも、そんな不安だらけで、何もかもままならない生活でも、楽しくないかと言われるとそれは絶対に嘘なんですよ。

瞬間的には「ああもうしんどい、逃げ出したい」とか思うこともなくはないのですが、嫁に作ったスパゲティの味を褒められたり、子どもと一緒に顔が痛くなるくらい笑った後には、ちょっとくらいの辛いことなんてもう、どうでもよくなっているんです。

あのとき「結婚は人生の墓場だ」とかうそぶいてみせた上司や、子どもの進学先で延々と愚痴を撒き散らしていた人たちは、なんでこの楽しさを教えてくれなかったんだろう? と思います。こういうことを教えてくれていたら、もっと早く結婚しようという気になっていたかもしれないのに。

なので僕は、いろいろ不安もありつつ、「結婚するのも、子どもがいるのも、楽しいもんですよ」というメッセージを伝えていくことを忘れないようにしたいです。

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いまどき結婚も子どもも個人の選択に委ねられていますし、「みんな結婚したほうがいいよ」「子ども作ったほうがいいよ」なんていうとハラスメントにさえなりかねないので、あんまり大声でこういうことを言い過ぎるのも良くないのかもしれません。

また僕自身、いま子どもができて1年未満でハイになっていて、本当に苦しい時期を経験していないから能天気なことを言ってられるというのもあるでしょう。1年後に同じことを同じ気持ちで言えているかどうかはわかりません。結婚生活でも色々あったし、「結婚っていいもんだよ」と胸を張って言えない時期も正直ありましたしね。

でも、いまの世の中には「結婚っていいもんだよ」「子どもがいると楽しいよ」というメッセージを発する人があまりに少なくなってしまった気がするので、あえてこのことを書いてみました。いろいろ大変だけど、こんなに楽しいことないですよ。

たまには公益を考えて、ポジティブなメッセージを出してみることにしました。結婚したい、子どもがほしいと思っているけど、周囲の空気に押されてなんとなくためらっている人の背中を押すことができればいいな。

今日は中国とかあんまり関係なくてすいませんでした。たまにはご容赦ください。

ではまた。

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