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ある日、消えた女の話

中国で、高官が理由が不明瞭なまま表舞台から消えるケースが相次いでいるのが話題ですね。

本人の行動に問題があったとも、政治的な失脚とも言われていますが、本当のところは何もわかりません。

個人的にはろくに説明がされないことで多くの憶測が生まれ、逆に注目を集めてしまっているような気がするので、情報公開ってやっぱり大事なんだなって思います(中国国内では報道を抑えればどうとでもなる話ですが。現にこれらの話題は、中国ではほとんど騒がれていません)。

さて、今日はこうした中国の中央上層部や政界に渦巻く巨大な陰謀の話……ではなく、「突如として人が消える」という話で思い出してしまったエピソードがあるので、それを書こうと思います。

ただの思い出話なので、週末の与太話としてお楽しみください。

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過去に勤めていた、工場兼商社のような所での話です。

そこは夫婦経営で、工場方を妻である中国人の女性(以下、工場長とします)が、商社方を夫である日本人の男性(社長とします)が取り仕切っている環境でした。商社方が日本向け出荷の仕事をとってきて、工場に仕事をおろす、というようなシステムです。

ここまで書いてもうお気づきの人も多いでしょうが、この夫婦が揉めると、まあめんどくさいことになるんですよね。工場と商社、つまり営業が利害が合わずに対立すると言うのは製造仕事ではよく聞く話ですが、そこに夫婦経営という要素が加わると、そのめんどくささは極致に達します。

工場でトラブルが起きた時には、妻である工場長にに「あの人に言ってきてちょうだい」と言われたり、採算が合わない仕事を工場にやってもらわないといけない時に、夫である社長に「ちょっと交渉しないといけないなあ」とチラチラこちらを見られたり。お前ら夫婦だろ勝手に自分らで話せよめんどくせえな、とよく思っていました。

で、そんなアレな会社で公然の秘密となっていたのが、

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