「新年快乐」と「明けましておめでとう」の違いの話
明けましておめでとうございます。今年も元気に中国のことを見つめ、得たものをどんどん言葉にしていけたらと思います。
新年一発目は中国語に関する、ゆるめの話題でどうぞ。
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つい先日の大みそか、12月31日の夕方の時のことです。
過去に仕事でやりとりのあった、少しだけ日本語ができる中国人の知り合いから、WeChatにメッセージが届いていました。そこには中国語での簡単な年末のあいさつがあったのですが、その最後は日本語の「明けましておめでとうございます!」で締めくくられていました。確認ですが、その時は12月31日の夕方で、まだ年は明けていません。
これを見て、僕はなるほどな、と思いました。というのも、中国の日本語学習者は日本語の「明けましておめでとうございます」は中国語の「新年快乐」あるいは「新年好」などの意味だと習うはずですが、これらの中国の新年のあいさつは、実際に年が明ける前に使われる場合もあるようなのです。
友達や同僚からから年が明ける前に「新年快乐」と言われたこともありますし、メッセージが届くこともあります。ネットで調べてみても、さまざまな意見はあるようですが、基本的には「新年快乐」は除夕(大みそか)の夜くらいから使っていいものとされています。年明けの直前も大きな意味での「新年」に含む、という考え方のようです。
僕にメッセージを送ってきてくれた知り合いは、単純に「新年快乐」を「明けましておめでとうございます」に置き換えたわけですが、日本語の「明けまして〜」は基本的に年が明けてから使うものなので、日本人の僕にとっては「あれ、まだ年は明けてなくね?」と、多少のひっかかりを覚える表現になってしまったわけです。
とはいえ、年明けのまったりとしたムードの時にそんなニュアンスの違い程度のことを指摘するのも野暮ですし、あいさつを送ってきてくれたことに感謝しつつ、僕も適当にメッセージを打って、最後に「除夕快乐」と付け加て送信しました。
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そもそもの話として、中国の人々にとって西暦の年明けはそれほど大きな意味を持ちません。中国における年明けは春節、いわゆる旧正月です。12月31日であろうと1月1日だろうと、いまこの時期に「新年快乐」と送ること自体が、中国の人々にとってはちょっと不思議な行為ではあります。
その意味でも「新年快乐」と「明けましておめでとうございます」はまったく等価のものではなく、少なくとも「似て非なるもの」くらいに捉えるのがいいのでしょう。
同じような例に、「谢谢」があります。
「谢谢」は特に中国語を学んでいない人でもおそらくご存知の様に、いわずもがな「ありがとう」の意味ですが、その使い方も微妙に違うんだな、と思ったことがあります。
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