見出し画像

「伝わらない」中国語の練習会に意味はあるのか

こんなツイートが中国・中国語界隈で話題になっていました。

動画はNHKによるニュースを切り抜いたものです。台湾の半導体大手であるTSMCの熊本県への工場進出を受け、地域がその経済効果をものにしようと奮起している……という文脈で、とある会社での「中国語の接客用語の練習会」が取り上げられていました。みんなでプリントを読みながら、発音の練習をするというものです。

ただその「練習」は、おそらくはただ単に中国語(この場合は台湾華語と言うべきなのかもですが)の発音をカタカナに直し、日本風の発音で読み下すだけのもののようでした。中国語において、非常に重要な要素である声調や拼音がまったく考慮されていません。ツイート主さんのいう「これでは何一つ伝わらない」「中国語学習者はその理由がわかる」というのは、そのことを指しているのだと思われます。

昨日の記事で「バズったツイートに乗っかるのはどうかと思う」と書いた舌の根も乾かぬうちに、すぐまたバズツイートをネタにする……これこそ「どうかと思う」所業ですが、ネタは常に枯渇気味ということでご容赦ください。

では、以下にこのツイートをめぐって考えたことを書いていきます。語学関連は各方面からめんどくせえことを言われがち(上のツイート周辺がいろんな意見で紛糾しているのがそれを物語っている)なので、とっとと有料です。

ここから先は

2,433字
この記事のみ ¥ 300

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。