中国の非婚化はだいたい親のせい
似たようなテーマのことは何回か書いているのですが、また改めて書いておこうと思いまして。
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中国で婚姻数が減ったのは、他の先進国と同様に価値観が自由化し、結婚を選択しないように変化しているからだと説明されることがあります。あとはこれも他国同様、結婚に求められる経済的なハードルが上がってしまい、結婚したくてもできなくなったというのもよく言われることです。
それらは基本的には正しいのですが、中国ではその結婚の個人化・市場化を個人ではなく、「イエ」としての家族が主導して起こしているという側面があります。
日本との比較で考えてみましょう。「結婚するもしないも自由」「誰と結婚するも自由」という価値観が広がった結果、日本の婚活市場は収入や容姿で人間が値踏みされるような、厳しい世界になりました。
日本において、こういう厳しい目線で人間を値踏みしているのは、それぞれの個人ということになるでしょう。結婚というマーケットの参加者たちは個人最適として、むき出しの経済原理のもと、少しでもよい条件の相手を見つけようとしているわけです。
一方、中国ではまだまだ「結婚は家族のもの」という意識が根強く、結婚はまだそれほど個人の手の中に降りてきていません。結婚相手の選定には家族、とりわけ親の意思や事情が大きく介入してきます。
その結果、親たちが子どもに代わって公園で結婚相手の競り市のようなことをやるという、日本の婚活市場とはまた違った異様な光景が繰り広げられています。
冒頭で引用したツイートのように、本人同士は結婚する気があっても、親(特に女性側)の出す経済的・資産的条件で折り合いがつかず、結婚を諦めたケースも珍しくありません。
個人的にもいくつかそのような例を知っていますし、地域によっては条例などで経済条件や結納金(中国語で「祭礼」という)を制限しようとする動きもあることから、親世代ひいては「イエ」としての家族が結婚のハードルを大きく上げているのは、一定程度の事実だと思います。
つまり中国では、結婚が市場化・自由化し、経済原理が幅を利かすようになる中で、「イエ」としての家族の権力が逆に強まり、個人——結婚を考える世代はむしろ自由な選択の機会を奪われている、という構図があります。それが「だいたい親のせい」の意味です。
もちろん日本やその他の国のように、「結婚だけが幸せじゃない」とか「一人が気楽だからあえて結婚しない」という人もそれなりには増えてきていますが、そういった価値観が支配的になっているのは一部(主に沿岸大都市)だけで、まだ中国は「イエ」的な価値観で動いている部分が大きいのではないかと思います。
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しかし、「親のせい」と強い言葉を使っておいて何なのですが、ここで中国の親どもは強欲だ、自分の都合じゃなくて子の好きにさせてやればいいじゃないか、などと言ってしまうのもちょっと違う話です。というのも、中国の厳しい社会的条件を考えれば、そうなってしまうのも仕方がない側面もあるからです。
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