中国の日本への印象はなぜ急激に悪化した?
日中のシンクタンクの共同によって毎年行われる、日中双方での世論調査。例年、お互いの国に対する印象が話題になるのですが、今年は双方の国民のうちほぼ9割が相手国に対して良くない印象を抱いている、という結果となりました。
日本のほうの中国に対する「良くない印象」は近年、90%近くでずっと高止まりしていてあまり変化はないのですが、中国の日本に対する印象のほうが大きく変化しています。
日本に対して「印象が良くない」と答えた中国の人は言っても70%台くらいが上限だったのが、今回は90%近くにまで上昇しました。そして日中関係を重要だと思うかについての質問では、過去60%を下回ったことがなかったものが今回は26%と、30%以上の下落です。もともと印象がよくなかったものが、最悪にまで落ち込んでしまったといえるでしょう。
個人的によくわからないなと思うのは、この調査は毎年10月から11月に行われるようなのですが、去年のその時期はちょうど福島第一原発の「汚染水」放出開始がまだまだホットな話題となっていました。
当時の空気感などを思い出すに、去年のほうがよっぽど調査の結果は悪くなりそうなものですが、実際には極めて悪い結果が出たのは今年になってからです。その間、もちろん日本への印象が好転するようなことはなかったものの、逆に大きく後退するようなトピックや出来事もなかったように思います。
この時間差を埋めるのはなんなのか考えてみた結果、ひとつの仮説に思い当たりました。
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