「謝謝」=「シェイシェイ」問題を今一度語ろう
家で嫁と一緒にヒカキンの動画を見ていたら、中国に関わるものとしては見過ごせないことが起きていました。
動画は横浜にラーメンを食べに行くという内容で、その途中でヒカキンさんが中華街に遊びに行く部分があります。そこでヒカキンさんが、「シェイシェイ!」と元気よく言い、それにテロップがついてる場面がたくさんあるんですね。
これの何が看過できないかというと、中国語を少しでもかじっていればわかるのですが、「ありがとう」を意味する「謝謝」を現在の標準的な中国語で読んだ場合、その発音は「xiè xie」となります。あえてカタカナで表記するなら「シエシエ」に近いでしょうか。
実際に聞いてもらえるとわかるのですが、この発音は日本風に発音した「シェイシェイ」とは大きくかけ離れています。おそらくこのまま発音しても中国人には通じません(嫁に確認しましたが、文脈があればギリわかるかもしれないけど、普通ならわからないと思う、と言ってました)。
この「謝謝」=「シェイシェイ」問題(?)はずっと以前から存在している問題で、この表記が世の中で発見されるたび、主に中国語学習者から多くのツッコミがなされてきました。「謝謝」の発音は実は「シェイシェイ」じゃないんですよ〜、などと紹介しているブログ記事なども無数に見つかります。
いっぽうで、「謝謝」の読みは「シェイシェイ」であるという認識があまりに強く定着しているせいか、日本においては「シェイシェイ」が今日まで広く使われ続けてきました。そしていま、トップYouTuberの動画にまで登場してしまったというわけです。
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「看過できない」などと強い言葉を使ってしまいましたが、もちろんヒカキンさんが悪いとかおかしいとか言いたいわけではなく、動画に字幕をつけた編集の人が不勉強なのだとも思っていません。上記したように、これは「謝謝」=「シェイシェイ」という認識が日本においてあまりに広がりすぎている結果によるものでしょう。
個人的にはもうここまで広まってしまった「謝謝」=「シェイシェイ」にいちいちツッコミを入れて回るのもちょっと違うのかな、と思っています。
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