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いまは「シーズン3」? 上海以外での中国コロナ対策の変化

上海にて新型コロナの感染拡大が続き、それに伴う厳しい封鎖措置や制限で多くの混乱が起きていることは、報道などでもすでにご存知の方がほとんどかと思いますし、このnoteでも何度もお伝えしています。

いっぽうで、上海以外の場所でもこれまでのコロナ対策に変化が見られるというか、風向きが少し変わってきたかな、ということが増えてきました。今日はその「上海以外の場所を含む、いまの中国のコロナ対策の空気感」について書いてみたいと思います。

僕は、いま中国のコロナ対策は「シーズン3」に入ったのではないか、と考えています。以下に説明します。

シーズン1:感染拡大初期

「シーズン3」の話をする前に、シーズン1と2の話をしておきましょう。ちなみにこれは僕の勝手な定義ですので、参考程度に捉えてください。

「シーズン1」は、感染拡大初期の大きな混乱が広がった時期です。まず湖北省武漢市で大きな混乱が起き、多数の感染者・死者が出ました。武漢市はロックダウン状態となりましたが、そのほかでも全国に散発的な感染が広がり、多くの人が影響を受けました。

この時期は、有効な感染対策を手探りしている状態でした。まだ「敵」の特徴が掴めておらず、他国よりも強めの行動制限をしながら、戦い方を決めていっていたような印象です。だいたい2020年の中盤までがこの「シーズン1」にあたるでしょうか。

シーズン2:安定期

そのうち、徹底したPCR検査によるスクリーニングや健康コードによる行動管理、感染者が出た場合の小区単位での封鎖措置など、感染対策のキモとなる方法論が出揃い、「中国の国情にあった感染対策」が確立しました。

この時期は、全体として見ればかなりの部分で安定していたのではないかと思います。感染者数は大幅に抑えられていたし、経済も回っていました。僕自身、生活においてコロナの影響を感じることはほとんどなかったし、日本の方が大変そうだなあ……などと思っていたことも、正直に言ってありました

たまに大規模PCR検査があって面倒だと思うことはありましたが、それも一過性のものでしたし、まあこれくらいは……と思えるものでした。

かくしてこの時期は、「中国のコロナ対策は、世界に類を見ないほど成功した」ことが国内に向けて喧伝されるようになったのです。

これが栄光の「シーズン2」です。

シーズン3:オミクロン株の流行以降

しかし2022年に入ってから、他国に遅れて感染スピードの速いオミクロン株の流行が始まってからは、風向きが変わってきました。3月中盤ごろに行われた広東省を中心とした封鎖措置が、その始まりだったように思います。

広東省での大規模な封鎖措置は結果的に短期間で終わりましたが、その間住民は毎日のように(場合によっては本当に毎日)PCR検査を受け、生活に支障をきたす人も増え始めました。飲食店や人が集まる実店舗業態の営業停止措置も、明らかに増えました。

そして、同時期から始まった上海での感染拡大とそれに対抗するための強力な封鎖措置、その中で見られた混乱が決定的となり、各地での感染対策はその強度を増すようになってきています。

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