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中国語、犬に関する悪口多すぎワロタ
今朝、嫁との会話で新しい中国語の知識を知りました。
芸能人やその他セレブリティにつきまとい、その写真を取ろうとする、いわゆる「パパラッチ」のことを、中国語では「狗仔隊」というのだそうです。
中国語での「狗」は、犬のことを意味します。「パパラッチ」(paparazzi)はもともとイタリア語で「ハエなどの虫のようにうるさくつきまとう虫」を意味するらしいのですが、中国語ではその役割が犬に置き換えられているようです。
嫁に聞けば、この言葉は香港から広まったものだと言います。ネットで調べてみると、たしかにこの言葉が香港の由来であることを示す記述がいくつか見つかりました。
たとえば中国語版Wikipediaである百度百科の香港版には、もともと追跡や盗聴を得意としていた香港警察の捜査チームが「小狗隊」と呼ばれており、それがいつしか「狗仔隊」となり、またいわゆるパパラッチを指すように変化したと書かれています。
そのほかにも「paparazzi」と「puppy」(子犬)の発音が似ているから(似てるか?)という説や、地面に這いつくばってターゲットの写真を撮ろうとする姿が犬のようだから、という説も見かけました。いずれにせよ、香港つまり広東語が由来なのはほぼ間違いないようです。そもそも「仔」(広東語で男性の愛称などに使われる)という表現が使われているあたり、とても香港っぽい響きではあります。
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ところで中国語(圏)には「狗」、つまり犬にまつわる悪口が非常に多いとされています。
手持ちの辞書には、そもそも「狗」それ自体に「こびへつらう人、悪人の手先、裏切り者などの比喩」という含意があることが書かれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1688627290839-2QAF3iED4X.jpg?width=1200)
それ以外に、「狗」を使った言葉にはどんなものがあったかな……と同じ辞書で調べてみると、犬にまつわる悪口やけなし言葉がこれでもかというほど出てきました。
以下に挙げますが、これでもごく一部です。
狗宝(gǒubǎo)……心根が卑しいこと。ののしりことば。
狗胆包天(gǒudǎnbāotiān)……大した力がないのに大きなことをやろうとする。
狗皮藥膏(gǒupíyàogāo)……インチキ商品。
狗屁(gǒupì)……くだらないこと、ばかげたこと。
狗頭軍師(gǒutóujūnshī)……役に立たない知恵ばかり出す人。
狗嘴長不出象牙(gǒuzuǐ chángbùchū xiàngyá)……ろくでもない人が、立派なことを言えるはずがない。
巴儿狗(bāergǒu)……他人にへつらう者。
悪狗(gǒu)……ひどい犬。狂暴なやから。
画虎类狗(huàhǔlèigǒu)……英傑のまねをして、かえってろくでなしになる。
癩皮狗(làipígǒu)……恥知らず。
「狗屁」あたりは日常生活でも耳にすることがありますが、そのほかにもこんなにたくさんあったとは知りませんでした。
意味合いとしては、やはり「権力にこびへつらう者」というニュアンスのものが多いのですが、ただ単に「つまらない者」や「ろくでもない者」を指して使われているケースもあります。
日本語でも「権力に尻尾を振る」というと犬が想起されますし、そもそも「権力の犬」などという言い方もありますから、ニュアンス的には理解はしやすいですが、中国語ではそのバリエーションがやたらと豊富になっている、という感じです。
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あらゆる言葉で罵り表現に使われる犬が可哀想になってきましたが、ではなぜ中国語にはこんなに「狗」、つまり犬をつかった悪口がたくさん存在しているのでしょうか。これについても調べてみることにしました。
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